番組内でのエスキモーの呼称について

1991年11月、カナダ政府はエスキモーと呼称していた先住民について、その呼称は「生肉を食べる人」という蔑称であり差別的であるとして、彼ら自身の言葉で「人間」を意味するイヌイットと公式表現することを決め、イヌイットとの合意に達しました。以来、カナダではエスキモーが差別語として定着しています。

 しかし、アラスカに住む先住民は、自分たちを「エスキモー」と呼び、その呼称に誇りを持って生活しています。今回番組で取材したアメリカ大陸最北端、アラスカ州バローの先住民は、自分たちを「イヌピアット エスキモー」と呼び、先祖代代の自然とともに生きる暮らしを守ろうとしています。取材に対し彼らは「イヌイットという呼称はカナダ先住民のものであり、自分たちはあくまでもエスキモーである。」と強く主張し、イヌイットという呼称に強い嫌悪感を示しました。

 また、バローを管轄するアラスカ州ノースボロー郡のメイヤー(郡役所の長)やアラスカ大学博物館などにも確認した結果、アラスカ州の先住民は、エスキモーと呼ぶべきであるという回答を得ました。アラスカ州の公式文書及びアラスカ大学博物館の展示文書等も全てエスキモーの呼称で統一されています。
 本来、民族名は他が決めるものではなく、その民族が自らをこう呼ぶとする呼称を尊重することが必要です。この考え方をもとに、今回の取材対象となった先住民の呼称は「エスキモー」で統一することとしました。

 尚、グリーンランドの先住民は、自らを「エスキモー」と呼称しています。また、エスキモーと同様のルーツを持つシベリア先住民の人たちは、「キューピック」と呼称し、ともに「イヌイット」と呼ばれることを嫌悪していることを付記します。
以上
文責)東日本放送 制作部
       加藤 昌宏
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