カリガネが舞う空

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プロローブ
冬の夜明け、沼に甲高い声が波紋のように拡がっていく。その声が沼全体を埋め尽くした瞬間、水鳥たちは餌を求めて一斉に飛び立つ。湖面全体が浮き上がるような錯覚にとらわれるほどの迫力…。数万のガンが日の出とともに一斉に飛び立つ光景は勇壮で感動的だ…。 作家立松和平は、宮城県の北部、伊豆沼を訪れた。この周辺は渡り鳥のガン類の約8割が越冬するという場所だ。
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■渡り鳥が集まる場所

かつての日本には、様々な形の沼地、湿地帯、豊かな自然環境の田んぼが点在しハクチョウやカモ、ガンなど各地で多くの渡り鳥を見ることができた。しかし、それはもう過去のもの。湿地が開発で失われていくとともに渡り鳥の越冬地は減り、宮城県の北、伊豆沼、蕪栗沼(かぶくりぬま)周辺に集まってくるようになったのだ。湿地が失われていくとともに、鳥たちは行き場を失って一極に集中する。

■自然農法の田んぼに水鳥が集まる

宮城県、伊豆沼にほど近い田尻町。冬場も田んぼに水を張り、農薬や化学肥料を使わない自然農法を試みる人たちがいる。手間がかかり収量も減るが、この農法により雑草を少なくすることができ、生き物たちも戻ってくる。 田んぼに水があると、水鳥たちが集まる。今はほんの少しだけの試みだが、もっともっと広い範囲になればねぐらにする水鳥たちも現れるかもしれない。そして米工場でしかなかった田んぼは、湿地という大きな役割を果たせることにもなる。

■カリガネを求めて中国へ

日本にはほとんどやって来なくなった渡り鳥に「カリガネ」がいる。万葉集にも詠われ、かつては身近だったと思われるガンの仲間だ。伊豆沼、蕪栗沼(かぶくりぬま)周辺でもほとんど見ることができなくなった。このカリガネが中国湖南省洞庭湖に1万羽以上が越冬している事実を知り、立松は中国へ向かった。

■洞庭湖大湿地帯で…

洞庭湖は、長江の中流域に広がる湖水の中でもひときわ大きく、冬の渇水期には広大な湿地帯となる、カリガネをはじめとする水鳥など貴重な生き物たちの生息域だ。大湿原でほとんど人間に接したことのない生き物は特に警戒心が強く、カリガネにも容易に近づくことができない…。
果たして、立松はこの広大な湿地帯でカリガネに出会うことができるのだろうか…。








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