カリガネが舞う空
中国取材記
ストーリー 出演者・プロフィール 中国取材記 TOP






〜中国湖南省・洞庭湖〜
…酒井プロデューサーの取材記から…
 
■曇天…


5月の撮影開始以来、おおむね天候に恵まれた取材が続いたが、中国取材を行う12月、中国湖南省の天気予報は雨が続き、不安なまま中国入りした。
まずは仙台から一路上海へ。雨だった。翌朝、まだ雨に煙っていたが、ホテルを出る頃には雨も上がり、どんよりとした空の下で、撮影が始まった。翌日、空路湖南省の省都である長沙へ向かい、そこから列車で目指す洞庭湖へ向かったのであるが、結局取材の8日間、連日同じような天気が続いた。太陽を見たのは、飛行機が雲の上に抜けた時だけだった。


■小屋は…どこ?

カリガネは、洞庭湖が冬場水位を下げ湖底が露わになった湿地帯に生える草を食べる。1997年に中国と日本雁を保護する会の岩渕成紀氏らとの共同調査で1万3千7百羽が発見されて以来、毎年多く確認されている。そのカリガネが毎年餌場にしている辺りに2棟、小さな撮影用の小屋を作ってカリガネの撮影を行う準備をしてきた。しかし、この冬は例年になく雨が続き、一度は下がった水位がまた上がり、作った小屋の付近は水没してしまった。狙っていた場所にカリガネはやって来なかった。
その後は、洞庭湖の対岸まで車で移動したり、大きな船をチャーターしてカリガネを追ったが、人間に対しての免疫がないカリガネに近づくことができない…。


■現場を去らなければならない…

現場を去らなければならない時間まであと1時間。
じりじりする思いで耳を澄ます。
ちょうど、堤が続くその先にいる!
堤に隠れて、立松さんが、岩渕さんが、カメラマンが、音声マンが、そっとそっと近づいていく。
堤の上で、餌を啄ばむカリガネがいる!飛来するカリガネがいる!自然のままのカリガネを捉えた!!


  [立松和平さんの感想]
カリガネはそもそもが美しい鳥ですが、群なるともっと美しく、飛翔すれば、大空は一瞬にして華やぎます。中国の洞庭湖で大群を見て、生き物たちの地球はまだまだ美しいものに満たされていると感じ、改めて改めて私は生命をありがたいなと思ったのでした。


pageup KHB 東日本放送