今週のことば






ほぎる

「ほぎる」とは、山形県などで「(植物が)生える、成長する」という意味で使われる方言。語源は、「ほける・ほうける」と考えられる。
 西川町は、夏スキーで有名な月山(がっさん)で知られています。5月に入っても5メートル以上の積雪があり、7月までスキーが楽しめるとのこと。そんな遅い春を迎える西川町では、山菜の旬もちょっと遅め。取材に行った時には、フキノトウやアサツキがちょうど“ほぎって”いました。
 この「ほぎる」。語源は、「(行動等が)度を越してはなはだしい様子」を意味する「ほける・ほうける」が変化したものと考えられます。なので、もともと「ほぎる」には、「成長し過ぎる」という意味があり、それが徐々に「成長する」という意味になったと考えられます。現在では、「大きくなり過ぎる」ことを「ほぎ過ぎる」と言っていますので、もともとの意味から見れば、「過ぎる」がダブっている事になるんですね。
 さて、花までバッチリ開いてしまった“ほぎ過ぎたフキノトウ”を何とか美味しく頂けないだろうか…。地元の山菜料理店で伺うと、茎の部分の筋を取り、流水に一昼夜浸した後、さっと炒めてダシで煮込むと美味しい煮物が出来るとのこと。実際調理いただくと、ほど良い苦味とやさしい歯ざわり。もう食べられないと思っていたものが、こんなに美味しくなるとは。いや〜、先入観とは恐ろしいものですね。 “ほぎ過ぎ”も、手間ひまと工夫次第で、決してほぎ過ぎではないんだなぁ…と。便利な世の中になればなるほど、考え方が狭くなるもんだなぁと、些細な事から思った一品でございます。