[週刊ことばマガジン]
◆今週のことば◆
「いじくりこんにゃく」
●まつわり
「いじくりこんにゃく」とは、福島県などで「必要以上に可愛がる・(機械等を)むやみにいじくり回す」という意味の方言。語源は、「いじくり+こねくり」が、言葉遊びで変化したと考えられる。
いわき市南部の田人地区は、こんにゃく芋の産地。そこで使われている「いじくりこんにゃく」。例えば、犬を“撫でまわし過ぎる”と、飼い主さんから「あんまり“いじくりこんにゃく”しね〜の。噛まれっと!」と怒られたり、買ったばかりのおもちゃを説明書もろくに見ないでガチャガチャ試していると、「“いじくりこんにゃく”してっと、壊れっと!」のように使われています。
語源は、もともと「いじくりこんにゃく」という言葉があったというよりは、「いじくり+こねくり」という表現の「こねくり」の部分が、言葉遊びによって「こんにゃく」に変化したと考えられます。日本人は言葉遊びが結構好きで、「驚き・桃の木・山椒の木」など、ダジャレというか語呂合わせというか、色々な形態の遊びがあります。
「いじくりこんにゃく」については、「こねくり」と「こんにゃく」の発音が似ているという事はもちろん、こんにゃくが非常に身近にあった地域ということ、こんにゃくを作る過程で捏ねたりする作業が発生することなど、様々な要因が重なって定着したのでしょうね。
ちなみにこの言葉。いわき市のお隣、茨城県北茨城市でも使われているとのこと。昔から交流が盛んに行なわれてきた両地域。言葉は、現在の県境に関係なく広がっていることも分かりますね。
■週刊ことばマガジントップに戻る
(C) KHB