|
9月9日(土)
1 特集 一迫町「墨絵の達人」
みなさん、おはようございます。今日の「もの語り・みやぎ」は、わたし「筆」が力強く歩み続ける一人の達人をご紹介します。どうか最後までおつき合い下さい。
ここはのどかな田園が広がる一迫町。とある一軒家に達人はいました。
何やら先ほどから静かに筆を走らせていますが… こちらがその達人、千葉貞夫さん。地元では有名な墨絵の『タツジン』なんです。
よ〜く見て下さい。左手一本で描いてるのが分かりますか。 えっ、どこが達人かって?待って下さい、これからその由来をお話しますから。
実は千葉さん、右半身が全く動かないんです。
49歳の時に突然病に倒れ、それ以来、右半身付随になってしまいました。 そのため、得意の墨絵をかく時だけでなく、生活の全てを左手一本でこなしているのです。
今は懸命なリハビリのかいもあって一人で歩けるようになったそうですが、 まだまだ日常生活の不自由さは17年経った今でも慣れるものではありません。
こうして出かける時などは、まだまだ家族の助けが必要になります。
そんな千葉さんの楽しみは、毎月2回、町の老人福祉センターで行われる 「いきいき墨絵教室」に参加することです。 この日も大勢の会員の皆さんが熱心に筆を走らせていました。
平成元年に墨絵教室ができて以来、会員数も年々増え続け今では30人までになりました。
会員の皆さんも、なかなかの筆づかいで絵を描いています。
墨絵に使う墨は書道の墨とは違い、少し青みがかった青墨を使います。 真っ白な紙の上に広がる深みのある色合いと、 濃淡のバランスひとつで絵の表情が全く変わる難しさが、墨絵の魅力だと言います。
千葉さんもその魅力にとりつかれた1人です。
現在は「墨絵の達人」とまで呼ばれる腕前になりましたが、もともと千葉さん、 体に障害をもつまでは、墨絵どころか絵を描くことすらしない人でした。
最初はリハビリの合間に自己流で描いていただけでしたが、 次第に墨絵の奥深さに魅せられて、「墨絵教室」に参加し本格的に始めたそうです。
そして、その時出会ったのが中鉢先生でした。教室での達人の評判はどうなんでしょうか?
○中鉢仁先生インタビュー
「なかなか絵は上手ではあるけど、本格的な絵じゃなかったね。それで、ここ(墨絵教室)に入ってからめきめきと上手になってね、今日に至ってるんです。なかなか上手ですよ。生徒さんたちもね、右手で描いてもやはり千葉さんのような絵を描けないんですよ。ところがやはり千葉さんは、非常に上手になってきてね、どこで見ても誰が見ても、『あっ、これは千葉さんの絵だな』というふうに分かるから、それでいいんですね。」
○参加者インタビュー
「右手でも大変な仕事を、描くことなのに、左手でやっているって素晴らしいなと思います。私は千葉さんをね、私の将来の鏡にしてます。もし、私が障害があっても描き続けられるっていうね、気持ちを私に与えてくれる方です。」
個性的な絵を描くことで評判の達人、千葉さん。 人々を魅了するその絵は、障害との葛藤のすえ描いてこれたものです。
墨絵をきっかけに、それまで障害に負けていた自分を再び生き返らせることができた。 そう、千葉さんは話します。
○千葉さんインタビュー
「病気になった時はね、もう〜辛くて涙ばかり出てね、しょっちゅう泣いていたんですよ。そして、こういうね、みなさんがね頑張ってやっているのに、泣いてばかりいられないんだなというような気持ちでね、ま、こういう道さ入ったらば、第2の人生さ入ったらばしょうがないなと思ってね、頑張るしかないなと思ってねやってるんです。そして、明るくなってきたんですね。
今まで暗い気持ちでおったのが、明るくなって動かない手も動くような気持ちでね、大変良いと思います。」
墨絵教室に通いはじめてから、生活に生き甲斐を見つけだし、性格も明るくなった千葉さん。 今では、庭の草取りや植木の剪定、畑の草取りまでするほど回復しました。
今まで描いてきた作品の数は、数千枚にもなるといいます。 しかし、その作品のほとんどは、親戚や隣近所の方にあげてしまったそうです。 今、残っているのはこちらの部屋に飾られた作品だけになります。
墨絵を描き始めてから3、4年くらいは夢中になって描いていたそうですが、 今ではゆっくりと1枚1枚、落ち着いて描くようになり作品自体にも磨きがかかってきました。
こちらの作品は、千葉さんの一番のお気に入り「松原」です。 県内のシニア美術展に出展した自信作で、 全体のバランス、背景のぼかしがうまく仕上がったと千葉さんはいいます。
部屋に飾ってある作品の一つ一つは、 17年間、力強く障害と戦い続けてきた証なのかも知れません。 それらの証には、筆と墨をもって、 左手一本で障害に立ち向かってきた思いが込められているのでしょう。
墨絵との出合いをきっかけに、第2の人生を歩み始めた千葉さん。 それまでは、家の中でぽつんと1人でいることが多かったそうですが、 墨絵教室に通いはじめ、多くの仲間ができました。
そして、墨絵という新しい目標を見つけ、日々、生きる喜びを感じています。
多くの作品に囲まれて、毎日のように絵を描いている千葉さん。 今の千葉さんにとって、墨絵は切っても切れない生活の一部になっているのです。
この17年間を振り返ってみて千葉さんは語ってくれました。
○千葉さんインタビュー
「こういうこと始めたのでも、障害から立ち上がらなくてはだめだ、という気持ちは十分あったね。墨絵があったからこそ、やはり、自分も生き延びてきたんじゃないかなと思ってるんです。」
墨絵に対する情熱は何年経っても変わりません。 達人と呼ばれているけど、自分はただ墨絵が好きなだけと、照れながら筆を走らせていました。
最近は墨で描いた絵に、顔彩というもので色を付けて絵を描いている千葉さん。 作品の中にも、色つきの墨絵と書道を組み合わせたものがあります。
これからも、ただ墨絵を描き続けていくだけでなく、様々なことに挑戦して、 もっと墨絵を楽しみたいと千葉さんは言います。
「左手1本で墨絵を描く達人」千葉貞夫さん。第2の人生は墨絵とともに始まりました。
千葉さんのように、ふとしたきっかけで、人は強くなれるのかも知れません。 皆さんも、情熱を燃やせる何かを見つけてみてはどうでしょうか。
||||||||||||| アンさんのコメント |||||||||||||
千葉さんの精神力に感銘を受けました。
千葉さんの人生物語を聞いていろいろ考えさせられます。特に普段、私がいかに自分のポテンシャルを試さないままで生きているのか感じました。ある意味では自分が、自分の限界をつくっているような気がして仕方がないです。例えば私は左利きで、できるだけ右手を使わなくてすむようにいつもいつも無意識に生きているんです。私も千葉さんの生き方や精神をモデルにして自分の持っている可能性を諦めないで、めげないでもっともっと広げて引き出していきたいと思います。
実は私の祖母は脳溢血症で倒れて、半身麻痺になってしまいました。残念ながら彼女は立ち直らないままで10年間ぐらい、もうほとんど寝たきり状態を過ごし、この世を去りました。祖母のような人生の最後の幕は今でも心の中では重い思いでになっています。その意味では千葉さんは立ち直ることができてて、第2の人生のスタートもできて、もう本当にミラクルだと思います。
3 県からのお知らせ
| (1)芸術銀河の開催 |
|
人生の楽しみを一つ増やしませんか?
今年も県内各地で多彩な芸術の祭典「芸術銀河2000」が開催されます。選りすぐりの作品を集めた美術展や様々なジャンルのアーティストによるコンサート、民話と音楽をあわせた一人芝居、住民参加の舞台芸術などが、県内各地でくりひろげられます。詳しくは、市町村や文化施設、県庁などで配付しているイベントガイドをご覧ください。
|
|
=9月の事業内容=
●みやぎ秀作美術展
9/30〜10/8 古川市民ギャラリー
●わたしの街の音楽広場
9/10 本吉町はまなすホール
9/14 名取市文化会館
9/23 気仙沼市民会館
●一人芝居(みちのく民話まんだら)
9/24 大和町まほろばホール
9/29 古川市民会館
【問】
みやぎ県民文化創造の祭典 実行委員会事務局
電話 022−211−2527
【インターネット ホームページ】
http://www.pref.miyagi.jp/seibun/
|
| (2)グリーンピア岩沼「いも煮・バーベキュー」の予約受付中! |
|
グリーンピア岩沼では秋の行楽にぴったりの「いも煮」と「バーベキュー」を実施しています。「いも煮」の料金は,おひとり1800円、「バーベキュー」は、2500円です。材料や道具はすべて揃えておりますので、手ぶらでお越しいただけます。詳しくはグリーンピア岩沼までお問い合わせ下さい。
|
|
「いも煮」 大人:1800円 こども:1300円
「バーベキュー」 大人:2500円 こども:2000円 ※送迎バスあり
●問合せ先 グリーンピア岩沼 電話0223−24−4455
|
|