HOMEアンの風にのってバックナンバー01年2月24日放送分

アンの風にのって
毎週土曜 午前9:30〜9:45

放送内容

2月24日(土)

1 「もの語り・みやぎ」

 ―小野田町 伝承の技『小野田紬』

 みなさん、おはようございます。今日の「もの語り・みやぎ」は、 わたし繭(まゆ)が皆さんに、農村の生活を支えてきたあるものをご紹介します。 どうか最後までおつき合い下さい。

 小野田町にある薬莱山(やくらいさん)のすぐ側に滝庭の関 駒庄『機織伝習舘』があります。 かつて養蚕が盛んであった小野田町では、どの家でも繭から糸を紡ぎ、機織りをしながら自給自足の生活を支えてきました。

 現在では染め織りをする人も少なくなり、こうして生糸から染め上げる技術も貴重なものとなりました。笠原さんは、そんな昔ながらの機織りの良さを伝え、守り続ける数少ない人のひとりです。

 『機織伝習舘』は小野田町に伝わる機織りや染色の技術を後世に伝え残していく目的で建てられました。伝統的な技術を学ぼうと、毎年、県内外から研修生として勉強に来る人も増えています。

 小野田町出身の笠原さんは、大学を出てから松本や米沢で染め織りの勉強をしたのち、 11年前、ここ小野田の地に戻ってきました。

 いま笠原さんが染めているのは天然の藍を使った藍染めです。 繊維に色がしみやすいように、糸をお湯であたためた後、藍瓶につけます。 瓶の中で染色している時は、深く濃い色合いをしていますが、 空気に触れた瞬間、糸は鮮やかな藍色となって見事に染まります。 思いどおりの色を出すのには長年の経験と勘が必要です。 笠原さんも『自分の色』を出すまでに、厳しい修行の積み重ねがあったんですね。

 自然に囲まれた環境で、天然の素材を使いながら 一つ一つ丁寧に、手仕事によって絹糸は染められます。 絹独特の美しい光沢と、鮮やかな色あいは日本人の心をつかんで離しません。

○小野田町はたおり保存会 笠原博司さん
 「自然ときっても切り離せないという環境の中で、当然やっていく仕事だと思っていたんですね。使っている染料とか、そういう素材が9割がた植物染料なので、そういう素材が身近に入るということもあって、作っていうものの幅は広がっていきましたね。」

 笠原さんが機織りに興味を持ち始めるまで、そう時間はかかりませんでした。 小さい頃からモノづくりが好きだった笠原さんは、機織りというよりも織り機のほうに興味をもったのです。『ガタンガタン』と音を立てながら、リズムよく操られる織り機。 使ってこそ、その魅力が一番引き立てられると感じた笠原さんは、大学を出てすぐに、 小野田で一番古い機織り名人に弟子入りしました。

○笠原さん
 「別に山深いところに住んでいるからというイメージはないんですけども、逆にこの仕事場の周囲の自然もそうなんですけども、人を抱える抱擁力っていうのはね、もってますよね。そういう意味では(はたおりの師匠:高嶋なつえさんは…)『山』のイメージがありますよね。いろんな人を、ぐっと包み込むような山というイメージの人ですよね。そういうところで、僕はその懐に飛び込ませて頂いて織物を教わったなって気はしますよね。」

○笠原さん
 「数少なくなりましたけど、年輩の女性の方たちが昔ながらの方法で引いて作った糸なんですね。そういうものをこれからも絶えさせないようにしていかないと、糸から先の仕事っていうのを今僕がやっているわけなんですけども、そのへんも含めてやっていかないと、総合的にいいものを作っていくっていうのが難しくなっていくんじゃないかなって気はするんですけどね。」

 昔ながらの手法で作られる小野田紬。 その織り機には、農村に生きてきた女性たちの歴史が刻まれています。 時代は変わっても、手仕事のもつ魅力はいつまでも、鮮やかです。

||||||||||||| アンさんのコメント |||||||||||||

 機織り機の『ガタンガタン』の音はリズムがあって、心地よく感じますね。あの音を聞くと、スウェーデンに住んでいた小学校の頃を思い出します。スウェーデンでは機織りの文化は深く浸透していて、伝承するため義務教育の一部として機織りを授業に取り入れています。様々な作品があってとても柔軟な環境の中で、伝統技術を伝えています。スウェーデンをはじめヨーロッパを訪ねる度に感心するのは、新しいものと古いものがうまく共存していることです。
 笠原さんの話を聞くと郷土や自然や人に対する愛を感じます。彼のような人が日本の手仕事の良さを伝えていることは心強いですね。



2 「ハイ!みやぎです」

 ― コンピュータを使った養液栽培!?

 皆さんは農業というとどんなイメージをお持ちですか?
 宮城は全国有数の米どころで、秋には黄金色の田んぼを見ることができ、 一方、畑やビニールハウスなどで栽培される野菜や花、果物などの園芸も年々拡大しています。 ハウスでの栽培は、気象の変動の影響を受けにくく、高品質で安定した収穫を可能にしますが、さらに「土」を使わない栽培方法もあるのです。
 それは「養液栽培」というもので土のかわりに「やしがら」などを使い、生育に必要な水分、 栄養分を調整して均等に与える栽培方法です。耕したり除草したりという作業が省かれ、 連作障害が少なく、一定の品質で収量の増加を図るものです。

 今日は宮城県園芸試験場が開発した「宮城型簡易養液栽培システム」をご紹介します。

 角田市の伊藤さんのほ場では県のモデル事業として昨年9月からこの養液栽培システムを試験的に導入しています。10アールほどの面積でトマトを栽培しており、現在、収穫も始まっています。

○システム特徴
(1)必要な資材が低コストで始められる
(2)培地に椰子殻を使用し、使用後も畑などに転用可能
(3)低価格の小型コンピュータで栽培養液管理
(4)農家の要求にあったプログラムに書き換えが容易

  コンピュータで栽培管理するといっても、人間の栽培技術が不要になるわけではありません。 コンピュータが正確に働く反面、気候の変動を見ながら生育状況を把握し、システムを調整しなければならないのです。伊藤さんも毎日トマトに向かい合って確認しています。

○伊藤 稔さん
 「今回やるにあたっては宮城園芸試験場の開発なんですね。それで、サポートを園芸試験場がしてくれる。園芸試験場が困ったことを相談にのってくれるということで、非常に心強く思っております。うちは実験ほ場で小さいほ場なんですけれども、このシステムであれば価格も比較的安いということもあって、汎用性もあるということで、小さい規模でも取り組める。多くの農家がたくさんの資金で取り組まなくても、気軽に取り組めるシステムだなって思っています。まぁ、練習ではないんですけれども今後、期待できる大きな技術だなって思っています。」

 今日ご紹介した養液栽培システム。初めてご覧になった方も多いのではないでしょうか。 コンピュータを導入し、高品質で安定した収穫をめざす養液栽培は県が開発した、 低コストで簡単なシステムにより、今後普及していくことが期待されています。

  県では生産者の皆さんとともに園芸を振興し、 消費者ニーズをとらえた産地づくりに取り組んでいきます。

  ※問合せ 県庁農業振興課  電話022−211−2833

||||||||||||| アンさんのコメント |||||||||||||

 日本の農業技術は世界の最先端をいっています。特に狭い土地で収量をあげる技術は本当に優れています。VTRであったように生産者と開発者が協力していけば、今後、宮城県の農業の発展は楽しみですね。

3 県からのお知らせ

インパク
「田んぼに入ろうチャレンジ!稲作」「めざせキノコづくり名人」
参加者募集中

 インターネット博覧会宮城県パビリオン「田んぼに入ろうチャレンジ!稲作」のコーナーでは、稲作を体験していただく方を募集しています。5月に田植え、9月には稲刈り作業を体験していただきます。田植えをしていただいた稲の生育状況を、刈り取りまでの間、インターネット上でご覧になれます。
 「めざせ キノコづくり名人」コーナーでは椎茸づくり体験の参加者を募集しています。自然にあふれた森の中で、椎茸の菌を木に植え付ける作業を体験したり、椎茸のおいしい料理法などを学ぶことができます。また、椎茸の菌を植え付けた木を自宅に持ち帰り栽培することもできます。
詳しくはインターネット博覧会宮城県パビリオンのホームページをご覧下さい。

インターネット博覧会 宮城県パビリオン
ホームページアドレス
http://www.inpaku.go.jp/miyagi/

 


 
 
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