栃木県日光市の「華厳の滝」で「異変」が起きていて、普段の姿と比べると11日は水の量が明らかに違っていました。水不足による「異変」が各地で起きていました。

■171地点で“真夏日”練馬30.3℃

 真夏日となった群馬県伊勢崎市。最高気温は32.4℃です。11日、全国で一番の暑さを記録したのは近くの群馬県桐生市で、6月で33.2℃の猛暑となりました。

 33℃を指す温度計の前で写真を撮る人は…。

埼玉から来た観光客 「ハイキングに行ってハナショウブを見てきたが、暑くて死にそう。今ジュース買って」 「(Q.2本?)2人で1本ずつ」 「(Q.何を撮っていた?)33℃。すごく暑い。さすが群馬県」 「(Q.まだ、梅雨前だが?)ちょっと暑すぎるきょうは。歩いていてフラフラした」

 都内でも真夏日を記録。練馬区の最高気温は30.3℃です。東京都心も29℃で今年、最高となる厳しい暑さに。

 11日に全国で真夏日を記録したのは171地点で今年最多に。夏日も718地点で、700を超えたのは今年初めてです。

■梅雨待つ京都“天空のアジサイ”

 観光客でにぎわう古都・京都では、最高気温は今年最高となる32.4℃です。

観光客 「ものすごく暑い。今年一番の暑さ」 「手袋と帽子と長袖、あとマスクもしていた」

スイスから来た観光客 「とても暑いです。でも慣れました。数カ月コスタリカに滞在していたが、ここよりも暑かった。だから大丈夫」

 市街地から少し離れた場所には穴場の人気スポットが。梅雨入りを前にアジサイが見頃を迎えているのは京都市の西山にある「善峯寺」です。

善峯寺 掃部光昭住職 「“天空のアジサイ”ということで東側が望めて京都市内も一望できるので、アジサイと一緒に楽しんでもらえる場所」

 「天空のアジサイ」と呼ばれる、この時期だけの絶景。皆さんは気温が上がる午後を避け、午前中に写真撮影を楽しんでいます。

観光客 「早く来た方が涼しいので。ちょうど今、見頃で山の斜面にこれだけいっぱい植わっているのはあまりないので、すごく感動した」 「美しい。とても良い風景」 「アジサイの名所はあちこちにあるが、京都市内を一望できるのはあちこち撮りに行っていてもここくらい」

 多くの水を吸収することで咲き誇るアジサイ。ただ、近畿では梅雨入りが平年に比べて11日で5日遅れています。

善峯寺 掃部光昭住職 「どうしてもガクがしおれてきて見栄えが悪くなるので、やっぱり早く梅雨に入ってシトシトと降る感じで降るのが一番ありがたい。待ち遠しい」

■“華厳の滝”に異変「水がない!」

 避暑地として人気の奥日光では水不足による異変が。観光名所である「華厳の滝」。シンガポールからの観光客は…。

シンガポールから来た観光客 「水がこんなチョロチョロ」

 なぜか滝の勢いがありません。

 日本三大名瀑(めいばく)の一つとして知られる華厳の滝。その名の通り、「華やか」な造形美と自然が織りなす「厳か」な水流が魅力です。

 中禅寺湖の水が高さ97メートルの岸壁を落下する壮大な景色は人々を魅了してやみません。通常、最上流部の幅は約7メートルになりますが、11日の滝は普段の姿とは全く違います。

神奈川から来た観光客 「結構、寂しい感じが」 「寂しいよな」

■糸のような細さ“華厳の滝”に異変

 男性が撮影した写真では、滝よりも岸壁の岩肌が目立ちます。糸を垂らしたような水の流れがかすかに見て取れます。

 なぜ、滝の水が極端に少なくなっているのでしょうか。滝の上にある中禅寺湖では水不足の影響が…。湖の水位が下がっていました。

中禅寺レイクサービス 大久保幸雄さん 「水位が例年と比べると低い」

 栃木県によりますと、湖の水位はこの時期の平均に比べて約30センチ低いといいます。

中禅寺レイクサービス 大久保幸雄さん 「(Q.影響は出ている?)影響は大きい。水面がここまで上がらないと船を下せない。下せたとしても上げられない」

 中禅寺湖の水位が下がっているため、滝に流れる水の量を水門で調整しているといいます。

 関東甲信では、平年の梅雨入りに比べて11日で4日遅れています。

中禅寺レイクサービス 大久保幸雄さん 「梅雨で多少は増えるんじゃないかと。まとまった雨が降れば水位が上がることに期待している」

■ダム水位低下で“幻の滝”出現

 なかなか来ない雨の季節。緑豊かな自然に囲まれた宮城県の鳴子ダムでも心配の声が聞こえてきました。

 向かうのはダムに注ぐ川との合流地点です。

鳴子ダム管理所 小嶋光博所長 「“幻の滝”と呼ぶ滝です」

 川の水が勢いよくダムに流れ込みます。なぜこの滝が「幻」なのでしょうか。

鳴子ダム管理所 小嶋光博所長 「普段はすっぽり滝が隠れている状態。6月にこの姿になるのは非常にまれ」

 原因は鳴子ダムの貯水率の低下です。現在は44.1%で、例年を大きく下回っています。普段はダムの水位が高いと滝は水没して見ることはできません。

 それが水位が制限以下になると「幻の滝」が現れるのです。

■2つの理由「雪不足&春の少雨」

 現在のダムの水位は普段より3メートルほど下がっていました。2つの理由がありました。

鳴子ダム管理所 小嶋光博所長 「一番(の理由)は今年の雪が少なかった。雪が少なく春にダム湖に流れる水が少なかった」

 1つ目が「冬の雪の少なさ」です。ダムは春になると周辺の山々から大量の雪解け水が流れ込みます。ところが「暖冬」で周辺は深刻な雪不足に陥りました。

 普段、春先までゲレンデが白く染まるスキー場も今年は地面が丸見えです。スキー場は例年よりひと月も早く営業を終了しました。

 理由の2つ目が「春の雨の少なさ」です。4月以降、東北の雨量は平年以下でした。ダムを管理する国土交通省は川に流す「放流量」を通常の70%程度に抑え、貯水率を維持しています。

鳴子ダム管理所 小嶋光博所長 「発電量は半分ほどに抑えてもらっている。田んぼ(農業用水)も約6割ほどに抑えてもらって、農家に努力してもらい維持している」

■米どころ不安の声「雨が欲しい」

 不安は地域の特産品にも。思わず頬張りたくなる「おむすび」。鳴子のブランド米「ゆきむすび」を使っています。

むすびや 大葉法子さん 「冷めてもモチモチしておいしい。希少米なので、数が出なければこちらにも影響がある」

 米どころの宮城県を支える鳴子地区。農家は鳴子ダムや沢からの雪解け水を田んぼに引き入れていますが…。

米農家 高橋正幸さん(84) 「(Q.流れてくる沢の水も少ない?)半分だね」 「(Q.本当はどのくらい?)ここいっぱいくらい」

 この道70年の高橋さん。現状、米作りに影響はありませんが今後に不安は募ります。

高橋正幸さん 「水が少ないから雨がほしいんだけどね」 「(Q.それが続くと?)(稲が)駄目になると思う」