病院などに行けない患者の元に、専用の車を派遣し医師が遠隔で診療を行う取り組みが仙台市で始まっています。
太白区に住む渡辺正子さん(76)の夫の昭雄さん(79)は、2022年に自宅で転んで歩けなくなり今もほぼ寝たきりの状態です。
この日は看護師と診療カーが自宅を訪問し、約5キロ離れたクリニックとオンラインで結びました。
看護師が脈拍や血圧を測って体調を確認した後、医師がオンライン診療のために開発された聴診器を使って診察しました。
診療カーを使った遠隔診療は、仙台市と仙台市医師会、NTT東日本などが1月から始めていて3つのクリニックが提携しています。
医師がオンライン診療が適当と判断した場合、患者の自宅に診療カーを派遣します。
鮮明な画像で患者の表情などを確認できるだけではなく、聴診音や超音波画像などのデータも送ることができます。
昭雄さんは週2回の訪問看護に加え、月1回、診療カーでの診察を受けています。
渡辺正子さん「もうすごいですね。本当にびっくりですね。診察室にいるように診てもらえるので本当に安心ですね。うちみたいに病院に直接行けない者は、なおさら助かると思いますね」
渡辺昭雄さん「(医師に診てもらえると)違うね。安心していられる」
高齢化や人口減少が進む中、診療カーは医師がいない地域や在宅医療を受ける患者の診療に役立てられることになっています。
あんどうクリニック安藤健二郎院長「かなり対面の診療に近づいていることを実感できますね。東北全体や日本全体の人口減少に対応していくための1つの有効な手段ではないかと思ってやっています」