宮城労働局によりますと、求職者1人につき何人分の求人があるかを示す有効求人倍率は、宮城県で3月に1.41倍と高い水準でした。これは、コロナ前の2019年12月に記録した1.60倍に近い水準です。

 新規の求人を産業別にみますと、宿泊・飲食サービスが前年の同じ月に比べて42.4%の増加、情報通信が13.1%増加、卸売・小売が5.9%の増加となっています。

 特に宿泊業では、インバウンド需要などの影響で4カ月連続の増加となっていて、宮城労働局では今後も伸びる方向にあるとみています。

七十七リサーチ&コンサルティング田口庸友主席エコノミスト

 「宿泊業は100日の黒字と260日の赤字と言われる繁閑の差があり、平日は人余り、休日は人手不足が課題です。

 大型連休は年間でも最大の書き入れ時ですが、人手不足でこの需要を取り逃がすとコロナ禍からの業績回復には痛手となります。

 仮に営業時間や客室の稼働率を維持できたとしても、人手が不足した状態ではどうしてもホスピタリティが下がり、お客の満足度が低下する懸念があります。

 対応策としては、閑散期は値下げし繁忙期は値上げするダイナミック・プライシングや、泊食分離といった飲食店と宿泊施設が連携することも必要となってきます。

 大型連休になると人気の観光地に人が集まる傾向にあります。そのため、国には地域別の休暇分散によって観光需要の平準化を図るといった新たな取り組みも打ち出してもらいたいです」