宮城県名取市の学校法人尚絅学院の運営資金、約3億5000万円を横領した罪に問われている元常務理事の裁判で、検察側は懲役8年を求刑しました。

 起訴状によりますと、尚絅学院の元常務理事、瀬戸正道被告(68)は2022年6月から7月にかけて、学校法人から預かっていた小切手を現金化し約3億5000万円を横領した罪に問われています。

 これまでの裁判で瀬戸被告は、起訴内容を認めていて検察側は「自分の資産運用のために実在しない投資ファンドに学校法人の金を流用していた」と指摘しています。

 きょうの裁判で検察側は「自宅などを売却しても賠償できるのは被害額の1割程度と結果は甚大」「私腹を肥やすために犯行に及んでいて、酌量の余地はない」などとして、懲役8年を求刑しました。

 一方、弁護側は「巧妙な投資詐欺により犯行に至るなど、動機は悪質とは言えない」などとして執行猶予付きの判決を求めました。 判決は、6月7日に言い渡されます。