宮城県大崎市の病院で発生したレジオネラ症の集団感染で、病院を利用していない周辺住民でも感染が確認されました。専門家は「今までに例がない」とその特異性を指摘しました。そのうえで考えられる要因として2つの可能性を挙げました。
東北医科薬科大学藤村茂教授「同じ施設を利用した方々で、大量に患者さんが発生することは過去の事例でも多く報告されています。今回のようにやや時間差で地域住民の方々、周辺の地域住民の方々からも出てくるというのは今までには例がないかなと思います」 大崎保健所の調査では、病院の空調設備から最大で基準の97万倍のレジオネラ属菌が検出されました。
藤村教授は病院を利用していない周辺住民が感染したことについて、2つの可能性を推測しています。
東北医科薬科大学藤村茂教授「あれだけ高濃度のレジオネラ菌が検出されているので、冷却塔水から周囲の環境まで広がっていっている。院内だけではなくてエアロゾルが飛んだという可能性は否定できないです」
一方で、外部から病院に持ち込まれた可能性も否定できないと言います。
東北医科薬科大学藤村茂教授「元々そこの地域の土壌でレジオネラ菌が発生していて、それをたまたま同じタイミングで吸い込んでしまって発症した可能性もあると」
宮城県は、今後の調査を厚労省と連携して行う考えです。藤村教授は感染経路が特定されるまで、次のような注意を呼び掛けています。
東北医科薬科大学藤村茂教授「一番注意しなければならないのは園芸関係をされている方、お庭の手入れをされるとかですね、そういったところで土をいじったりとかいう方。あとは外で土木作業をされたりとかですね、そういったときに吸い込んでしまって感染することはありますので、ちょっとこういうタイミングの時はですね、注意していただきたいと思います」