東京・江東区長選挙を巡る公職選挙法違反事件の裁判で、前区長の木村弥生被告に対して、検察側は懲役1年6カ月を求刑しました。

 前江東区長の木村弥生被告(58)は、去年4月に行われた江東区長選挙を巡り、元区議を買収したほか、自らの有料広告を違法に掲載させた罪に問われています。

 検察側は24日の論告で、「政治と金の問題による政治不信に拍車をかけた」などとして木村被告に対して1年6カ月を求刑しました。

 一方、木村被告側は「選挙の神様ともいえる柿沢プロデュースの選挙であり、勧めに従った」「社会内での更生を求める」として、寛大な判決を求めました。

 木村被告はこれまでの裁判で起訴内容を認めていて、最後に「江東区の皆さま、職員の皆様、ご迷惑をおかけした全ての方々に心からおわび申し上げます」と謝罪しました。

 また、医療法人に就職したことを明らかにし、「深い深い反省とともにこれまでの取り組みをより現場に近いところで、社会の役に立てられるよう人生の再スタートを切りたいと思います」と述べました。

 この事件を巡っては、木村被告を当選させるために区議らを買収した罪などに問われた柿沢未途元衆議院議員(53)に対する懲役2年、執行猶予5年の有罪判決が確定しています。