岸田総理大臣は大型連休中の5月1日から6日にかけて外遊し、フランス・パリのほか、初めて南米を訪れ、ブラジル、パラグアイとの首脳会談を行う予定です。

 日本は2024年の今年、OECD=経済協力開発機構の議長国を務めていて、岸田総理は5月2日から始まる閣僚理事会の開会式で基調演説を行います。

 また、生成AIに関するイベントでも演説を行う予定で、ルール作りに向けた新たな国際枠組みの創設や、偽情報対策の取り組みを支援する考えを表明する方針です。

 さらに、マクロン大統領と昼食会を行ったうえで首脳会談に臨む予定です。

 その後、南米に移動し、まずはG20=主要20カ国の議長国を務めるブラジルのルラ大統領と首都ブラジリアで首脳会談を行います。

 ルラ政権が力を入れるアマゾンの森林保護への基金の拠出など、脱炭素社会に向けた協力文書などにサインする予定です。

 その後、南米で唯一、台湾と国交を結んでいるパラグアイを訪問します。

 パラグアイは、ブラジルやアルゼンチンなどが加盟する関税同盟=メルコスールの議長国を務めています。

 日本は、経済面だけでなく政治面での関係強化もにらみ、メルコスールとの間でEPA=経済連携協定の締結を模索しています。

 経団連などが早期の実現を求める一方で、自民党の一部の議員からは日本の畜産業などに影響が出るとして反対の声が根強く、交渉を開始できるのかが焦点となっています。

 最後に訪れるのは、ブラジル・サンパウロです。

 日本からの移住者やその子孫が多く、開拓戦没者の慰霊碑での献花や日系人との懇談も予定しています。