26日も東京は25.1℃と、2日連続の「夏日」を記録しました。27日からのゴールデンウィークを前に、各地で早くも熱中症対策に追われていました。

■福島30.8℃ GWさらに暑い?

 こいのぼりが空を泳ぐ季節。「端午の節句」を前に福島市の小学校では春の風物詩、こいのぼりの掲揚式が行われました。

 ただ、気温は季節外れの暑さ。福島市では最高気温29.7℃と7月下旬並みです。参加した小学生は早くも熱中症を警戒しています。

小学3年 「もう夏みたいな感じだから、夏になったのかと思っちゃう。熱中症があるからタオルを持ってきている」

 福島では会津若松市が29.9℃。伊達市の梁川は30.8℃の真夏日を記録。4月の真夏日は実に6年ぶりです。

■「夏日」全国243地点で

 関東では夏日が続出しています。群馬県桐生市の最高気温は27.4℃。今年13回目の夏日で、4月までの記録としては観測史上最多です。

 26日、全国で30℃以上の真夏日を記録したのは8地点。25℃以上の夏日は243地点となりました。

■東京25.1℃「熱中症の危険大」

 27日から始まるゴールデンウィーク。3万本のルピナスが咲き誇る栃木県の観光地では花見を楽しむ人々が季節外れの暑さに驚いています。

観光客 「半袖でも暑いくらい。体が追い付かない、気持ちも追い付かない」

 ゴールデンウィークは特に熱中症のリスクが高まると、医師は警鐘を鳴らしています。

横浜鶴見リハビリテーション病院 吉田勝明院長 「この時期にあちこちで30℃を超えるのが異常な状態。最大のポイントは我々が『熱中症』と言葉で聞いているが、『まさか、この時期に』という油断が一番困る。急に暑くなったところがポイント。まだまだ体が慣れていない、順応していない。だから、この気温が熱中症の危険リスクとしては大きい。ゴールデンウィークならではの熱中症の危険」

■「暑さを可視化」温度測ると…

 ゴールデンウィークに熱中症のリスクが高まる訳とは。

 東京も26日朝から強い日差し。熱中症の警戒が必要だといいます。最高気温は25.1℃で5月下旬並み。2日連続で夏日を記録したのは今年、初めてです。

 4月でも日傘を差す人が目立ちます。朝の通勤時間からぐんぐんと気温が上昇。

 通勤客が多い通りの温度を測ってみると、人々が歩いている辺りは30℃を超えています。

 早くもサンダルに短パン姿の人。半袖をまくって腕を出す人。日差しを避けるためでしょうか、首筋を手で覆う人も。

通勤中の人 「今年は暑くなるのが早い印象」

■“GW人混み”で熱中症リスク大

 ゴールデンウィークに合わせて都内で26日から始まった「肉フェス」の会場など、多くの人が集まるイベント会場などでは熱中症のリスクがどのようにして高まるのでしょうか。熱中症に詳しい吉田勝明医師に聞きました。

吉田勝明院長 「元々、我々の体は36℃から37℃だが、表面の温度として34℃くらいある。休みに色んな場所にレジャーに行って、たくさんの人が集まる。人が集まった結果として33℃から34℃くらいの熱が近くにあると、だんだん熱がこもってしまう。汗が蒸発して息を吐くとなると、湿度がその辺に蔓延(まんえん)して、人がたくさんいると風通しも非常に悪い。熱中症のリスクは上がっていく。顔の部分にオレンジ色が目立っているのは照り返し、自分の呼気。人が集まるなかで温度が上がっている。熱中症の危険リスク」

■「肉フェス」看護師常駐で対処

 「肉フェス」の会場では、熱中症対策を強化。看護師を常駐させ、熱中症の症状など具合が悪い人が出た場合に対処できるよう備えています。

 また、調理を行うコンテナの中は熱がこもって気温が上がりやすいため、今年から一部で冷房を設置しました。これまでは閉め切っていた扉を網戸にするなど、換気を良くする対策も取っています。

吉田勝明院長 「熱中症になる可能性が十分にあることを認識しながら、少なくともゴールデンウィークに遊びに行く前には十分に体調を整えたうえで色々な所に行ってほしい。今のうちから、汗をかくトレーニングをしてほしい」

■熱中症を防ぐ「暑熱順化」とは

 熱中症を未然に防ぐための対策を消防隊員に聞きました。

 群馬県の前橋市消防局では、体を暑さに慣れさせる「暑熱順化」の訓練を先週から始めています。

前橋市消防局 中央消防署 川浦行雄副署長 「最近の暑さは年々、早くなってきている。暑熱順化はとにかく暑さを早めに慣れさせる。いきなり暑いなかで活動すると、消防職員も熱中症になってしまう。そのため防火衣を着て、なるべく早めに暑さに慣れて、汗をかける体を作るのが大事」

消防隊員 「普通のトレーニングウェアだと普通に汗をかく程度だが、防火衣を着てトレーニングすると、より夏場の環境に近い状況で訓練できる」