アメリカトランプ前大統領による不倫相手への口止め料を巡る事件の裁判で、不倫関係があったとされる元ポルノ女優が初めて出廷し、当時の生々しい状況を証言しました。

 トランプ氏は、2016年の大統領選挙の際に不倫関係にあったとされる元ポルノ女優のストーミー・ダニエルズさんに13万ドルの口止め料を払い、これを隠すために業務記録を改ざんした罪に問われています。

 7日の法廷で、ダニエルズさんは2006年にトランプ氏からホテルのスイートルームに誘われ性的関係を持ったと証言しました。

 ダニエルズさんがトイレから戻ってきた時にトランプ氏は、ベッドの上で下着姿で待っていたということです。

 また、トランプ氏からテレビ番組への出演をほのめかされたと語りました。

 その後、2016年にトランプ氏側から13万ドルの口止め料を受け取ったと主張し、その数年後には商業施設の駐車場で、トランプ氏との関係を話さないよう脅迫を受けたと証言しました。

 一方、トランプ氏は不倫の事実そのものを否定しています。

 トランプ氏の弁護団は「ダニエルズ氏の証言は裁判に悪影響を与える」として審理の無効を求めましたが、裁判官は訴えを却下しました。

 今回の「口止め料」裁判は11月の大統領選前に評決が出るとみられていて、その影響が注目されています。

 一方、トランプ氏が大統領を退任した際に機密文書を私邸に持ち出したとして起訴された事件について、フロリダ州の連邦地裁は今月20日に予定されていた初公判の期日を無期限に延期すると発表しました。

 アメリカメディアは8月までに裁判が始まる可能性は低いと伝えていて、トランプ氏にとって追い風となりそうです。