梅雨の季節は雨への警戒がより一層重要になります。鹿児島県の奄美地方では19日から2日連続で線状降水帯が発生し、大きな被害も出ています。
2日に東海地方を中心に発生した線状降水帯です。1時間に80ミリ以上の雨量を示す紫のエリア、1時間に50ミリ以上の雨量を示す赤のエリアが帯状に広がっています。
この線状降水帯について、気象庁は2021年から発生を確認し土砂災害や洪水の危険性が急激に高まった場合、対象地域に顕著な大雨に関する気象情報を発表して安全の確保を呼び掛けています。
東北地方でも2022年8月に初めて発表されました。
仙台管区気象台気象防災部紺野友希防災気象官「例えば2022年の8月3日だと、日本海側、青森県と秋田県と山形県に計4回、顕著な大雨に関する気象情報を発表しています。顕著な大雨に関する気象情報が出るような場合は、警戒レベル4相当以上の状況で自治体から避難情報が出ていてもおかしくない状況となります。宮城県でもひとごとではないと考えておいていただければと思います」
顕著な大雨に関する気象情報は、5月から線状降水帯による大雨が予測された場合に最大で30分前倒しして発表されています。
5月2日に東海地方を中心に発生した線状降水帯です。赤の実線で囲まれているのが実際に発生しているエリア、赤の点線で囲まれているのが最大で30分以内に発生すると予測されるエリアです。
東北大学災害科学国際研究所佐藤翔輔准教授「予測の精度は84%で16%の確率で予測がはずれる可能性があるということですが、避難できる状況であれば自治体の発表に従って避難してほしいです。被害が出た場合、取り返しがつかない状態になる恐れがあるためです。
ただ、30分前倒しというのは最大でということなので、勘違いしないでほしいと思います。極端な話、発表されてから数分で線状降水帯が発生している、もしくは既に発生している事も十分にあります。ですので、発表された時点ではまず十分に自分がいる周囲を確認してほしいと思います。そのうえで、避難ができるようであれば自治体のアナウンスに従って避難してほしいと思います。
これは空振りになっても、避難できるならすべきです。絶対にやってほしくないのは、焦って外に避難することです。例えば自宅にいて、周辺の道路が冠水していたり、夜間で状況が分からない場合などはどんな情報が出ていようが、自宅で垂直避難などの行動をとってほしいと思います。
中には、仕事や重要な用事があるということで外出し被害に遭うケースもあります。仕事や重要な用事というのは、判断を鈍らせるので注意してほしいと思います。
防災の考え方では、ハザードマップで浸水エリアにある企業は大雨の際は在宅ワークに切り替えるなど、事前に基準を明確にし社員に周知しておくのも重要だと思います。判断を鈍らせる要素を少しでも減らせれば良いと思います」