3つの補欠選挙の結果は、今後の国政に大きな影響を与えることになります。

 選挙戦では、政治と金を巡る岸田政権の対応や、野党間の協力のありかたなどが問われます。

 自民党は唯一、候補者を擁立した保守王国の島根1区で議席を守れるかが焦点です。

 裏金事件で逆風が吹くなか、15日推薦を決めた公明党と連携して、信頼回復に向けた取り組みや賃上げ、外交の成果などを訴えていく考えです。

 負ければ「6月解散」もにらむ岸田総理大臣の戦略に影響を与えるほか、今の執行部への責任論も浮上するなど党内政局が加速する可能性もあります。

 野党第一党の立憲民主党にとっても次の衆議院選挙に向けた試金石となります。

 今回は3つすべての選挙区で共産党が立憲の候補を支援する形で協力が進み、島根では事実上の与野党一騎打ちとなります。

 ここを天王山と位置付け、幹部が相次いで応援に入る総力戦となっています。

 泉代表としては、この情勢を追い風に3戦全勝し、政権交代の流れにつなげたい考えです。

 一方、次の衆院選で野党第一党を目指す日本維新の会は、野党間の連携には加わらない方針です。

 政治全体への不信が広がるなか「改革」を前面に打ち立て、独自候補を擁立して議席獲得を目指します。

 国民民主党は、協力には主要政策の一致が重要で立憲と共産が組んだ候補は応援できないという立場ですが、玉木代表は「自民党以外の候補が勝つことが意味がある」としています。

 結党以来初めての衆院選に臨む参政党は「クリーンで新しい政治」を訴えています。