テレメンタリー2023「戦地から被災地へ ~祈り続けた1年~」

開催日 2023年6月28日(水曜日)

 6月28日(水)午前10時30分から、東日本放送・本社(太白区あすと長町)で第487回番組審議会が開催され、khb制作のテレメンタリー2023「戦地から被災地へ ~祈り続けた1年~」について合評しました。この番組は、ロシアのウクライナ侵攻を受け石巻市に避難してきた女性が、地元の人々との交流に力づけられ、前を向いて歩む姿を描いたドキュメンタリー番組で、全国のテレビ朝日系列局で放送されました。

 委員からは「戦地・ウクライナから東日本大震災の被災地である宮城県に避難してきた女性を通して、戦地と被災地がどのように描かれるのか知りたいと思わせる良いタイトルだった」「30分番組という制約がある中で、1人の女性の姿が丁寧に描かれており、分かり易い構成に仕上がっていた」「地域の行事への参加を通して生まれた主人公の心境や行動の変化をしっかり捉えていた」「密着したからこそを得られたコメントも多く、取材する側とされる側の信頼関係が伺えた」「単に可哀そうで終わらせず、自分に何ができるのかを考えさせられる番組であった」という評価がありました。

 一方で「主人公となった被災者がなぜ石巻に来たのかが分かり難かった」「異国への避難は、経済的なことを含め多くの課題や困難があると思うが、その問題が単純化されたような印象を受けた」「祖国へ帰りたいという女性の強い想いを、もっと深く掘り下げて描いて欲しかった」という指摘もありました。また「ウクライナの戦争はまだ終わっていない。今後も継続して取材し、次は長尺の番組として放送してはどうか」という意見がありました。

 番組担当者は「長期取材の中で、何にフォーカスするか日々悩みながら編集作業に取り組んだ。本日いただいた様々なご意見を今後の番組制作に活かしていきます」と述べました。