今や身近になっているインターネットの地図サービス『Googleマップ』。地図上の店舗や施設の評価、いわゆる“口コミ”を投稿することもできますが、事実と異なる悪評が放置され、営業権を侵害されたとして、医師ら63人がGoogleを集団提訴しました。

■クチコミ被害に「反論難しい」

クチコミ被害の例(原告アンケートから) 「不要な検査と不要な抗菌薬の処方を要求され、断ったところ悪いクチコミを書き込まれた」

原告団の医師 「本当に肝心な時に使わないと、抗生剤が効かない菌が増えて、困った時に効かなくなってしまう。保険診療というのは、不必要な薬を処方するとか、やらなくてもいい検査をするということはしてはいけないんです。Googleマップにおいては、断ると悪い評価が付けられてしまう。医療従事者全体の総意として危機感を持っております」

原告団は、診察には守秘義務があるため、事実でないクチコミを書かれても、反論が難しいと主張。また、個別に削除請求するのは負担が大きく、サービスを運営するGoogleが責任を負うべきだとしています。

原告の代理人 中澤佑一弁護士 「負担を一方的に押し付けられている状態。プラットフォーマー側が何も責任を負わないのは違うのではないか」

■「ゴミ未満」クチコミは放置のまま

クチコミ欄には、いわれのない誹謗中傷も。横浜市の歯科医師・稲毛滋自院長です。こちらの歯科医院、評定は3.4ですが、星1つをつけたクチコミを見せてもらうと。

いなげ矯正歯科医院 稲毛滋自院長 「『客に対する高圧的かつ抑圧的な態度が特徴』ということは分からないですね」

スタッフ共々ショックを受けたという、このクチコミ。当然、誰が書いたか分かりません。出だしには「ゴミ未満」と罵る言葉も。

いなげ矯正歯科医院 稲毛滋自院長 「本当にこのクチコミに関しては、何でこんな書き方するのかなって」

Googleマップの規約では、意図的な虚偽情報や中傷・個人攻撃などは違反と定められていますが…。

いなげ矯正歯科医院 稲毛滋自院長 「(Q.書き込みにどう対処したか)結論から言うと何もしていないです。どなたが書いているか全く分からないような“架空の人”に主張してみても、全く空疎なやり取りになってしまう。使うべき用語ではないものを平気で掲載しているGoogleさん、いかがなものかと思います」

クチコミをめぐる集団提訴にGoogleは…。

Google 「不正確な内容や誤解を招く内容を減らすよう努めています。個別の案件に関してはコメントを差し控えさせていただきます」