円安の加速が一段と進んでいます。そんななかでも、ゴールデンウィークの旅行先として変わらず人気なのがハワイですが、旅行の内容は様変わりしているようです。

為替市場では、1ドル=155円台で推移していた25日、両替所のレートを見てみると、160円近くになっています。

ハワイへ旅行の人:「3万円で189ドル。(Q.このレートどう)あんまり外国に行かないんですけど、こんなに“高いところ”に行っちゃって。ちょっとショックです」

新型コロナの5類移行後、初めてのゴールデンウィーク。旅行へのマインドは、去年までとは違います。

海外旅行をする人の数は、推計52万人。去年の1.7倍近くに上ります。コロナ前の8割から9割程度まで回復する見込みだそうです。ただ、乗客の荷物からは、円安・インフレ時代の節約術が垣間見えます。

現地で自炊するため、食材を持参です。 ハワイへ旅行の人:「パスタとか、味噌汁だとか。あとはお茶作って、サトウのごはんで。あとはうどん。(Q.1ドル155円は)いやぁ、痛いですよ。痛いけれども、楽しみには勝てないので、まぁいいかな」

チケットを買ったときは、1ドル145円くらいだったという夫婦。 ロサンゼルスへ旅行の夫婦:「もうちょっとしたら円高なるやろうなと思ってたんですけど、逆に、どんどん逆に。最悪です」

ゴールデンウィーク中のハワイ便の予約数は、過去最多となっているそうです。ゴールデンウィーク前とあって、日本人の姿は多くはありませんが、話を聞きました。 観光客:「あまり見ないで買って、レジに行って仰天ばっかりですね」 観光客:「(Q.アクティビティは)やらなかった。ずっとビーチ。タダで楽しみますよ」

物価の高さは、例えば、ホテルの朝食で見てみると、家族4人、エッグベネディクトとドリンクを1杯ずつで、3万円近くといった具合です。

家族4人でハワイに来た女性。毎食、外食をするわけにもいかないので、自炊です。ホテルではなく、キッチンがついたコンドミニアムが人気になっています。 観光客:「お米は持ってきた方がいい。スーパーでも買えますけど。前回も前々回も本当にショッピングが結構メインだった。お洋服買ったり、バック買ったりがメインだったけど、いま、日本の方が安いので」

コンドミニアム側にとっては、チャンスでもあります。 スターツインターナショナルハワイ・畑華子さん:「コロナで日本人減っていたが、きょう現在、GW前は73%が日本のお客さま。久しぶりに日本の方、WELCOMEBACKという感じ」

外食をせずに節約といっても、決してお手頃とは言えません。カットフルーツ、お惣菜に地元のビール。かごにいっぱいというわけではないのに、しめて120ドルほど。1万8000円です。 観光客:「(Q.想定の範囲内ですか)想定外です。高いです。(Q.外食するよりは)全然。少しずつ節約するしか…円安には抵抗できません」

十数年前には、ドルが今の半額だった時代がありました。ハワイでショッピングや食事を楽しむ日本人観光客のマインドは、全く違っていました。漏れる言葉も「外貨両替するのに、日本人としては、お得な感じ」「円高のおかげでショッピングとか楽しめそう」など、今とは正反対です。

円安にインフレと、海外旅行のハードルが上がっているのは確かです。

3世代8人で来た家族。女性にとっては、50年前に新婚旅行で来たときから数えて3回目のハワイです。 3回目のハワイ旅行の人:「今回は最後だと思って、見に来ました。どんなにか、変わったハワイを。(Q.円安、物価高で節約しようとは)この時点で仕方がないから、ガバっとおろしました。カードの限度額を上げてきました。(Q.何が楽しみですか)来ること自体が楽しみ」