イスラエル政府は、カタールのテレビ局『アルジャジーラ』による国内への放送の休止、そして支局の閉鎖を決めました。理由は、“国家の安全への脅威”です。機材は、当局が没収していきました。

アルジャジーラは、イスラエルによる地上侵攻後もガザからその実情を発信し続けてきました。 ガザの支局長は、妻と子ども、孫を空爆で失いました。多くの犠牲を払い、イスラエル国民にもガザで起きていることを伝えてきましたが、今後、その機会は、大きく失われることになります。

アルジャジーラ・モアマド編集委員:「ガザの戦争が始まって以降、パレスチナ人ジャーナリスト140名が殺害されましたが、取材を続ける覚悟が揺らぐことはありません。イスラエル国内から発信することはできなくなりましたが、双方の立場を伝えられるよう尽力します」

イスラエルとハマスは、4日からアメリカなどを交え、休戦協議を続けてきました。CIA長官が、中東を訪問するなどの動きもありましたが、両者が休戦で歩み寄ることはなさそうです。

イスラエル・ネタニヤフ首相(2日):「我々の未来を守るため、ラファでも敵に勝つ。勝利のために必要なことを行う」」

ネタニヤフ政権は、ラファ侵攻を断念する考えは、当初から見せていませんでした。

アメリカ・ニューヨークでイスラエルに抗議するデモが広がりを見せています。アメリカでは、先週、複数の大学で警察による抗議活動への介入があったばかりです。

警察を見つけたデモ参加者。 デモ参加者:「学生がコロンビア大で何をした?窓を壊したりしたか?」 警察官:「我々は、すべての人の安全のためにいます。あなたの意見は尊重します」 デモ参加者:「イスラエルという人種差別国家が大勢を殺害しているなかで、正義を求める人々を警察は妨害している」

パリでは、高校生たちが授業をボイコットして、ガザ地区での停戦を求めています。 デモ参加者:「目の前で虐殺が起きているのに反応がない。意味がわからない。どんな出来事もネットで把握できる時代に、何も行動を起こさないなんて」

“停戦”を望む声は、世界中で大きくなっていますが、事態は好転していません。

連日のように空爆が続き、一般市民に被害が出続けている南部のラファ。イスラエル軍は6日、避難を呼びかけるビラをまきました。地上侵攻が近いことを示唆しています。

ラファ住民:「停戦交渉には失望した。全く期待しません。頼れるのは神様だけだ」 ラファ住民:「毎日、空爆されている。いっそラファに侵攻すればいい。もう終わりにしてほしい」