ヨーロッパを外遊中の中国の習近平国家主席と会談したセルビアの大統領が、歓迎式典で「台湾は中国領土の一部である」と発言しました。

 5年ぶりにヨーロッパを歴訪している中国の習近平国家主席は8日、フランスに続く2カ国目のセルビアで、ブチッチ大統領と会談し、習氏が提唱する巨大経済圏構想「一帯一路」の推進を含めた連携の強化で合意しました。

 両首脳は、「中国とセルビアは、新時代の未来を共有する共同体を構築する」と発表しています。

 セルビアはEU=ヨーロッパ連合やNATO=北大西洋条約機構には加盟しておらず、「親中ロ」とされていて、中国から多額の投資を受けています。

 複数のセルビアメディアは、ブチッチ大統領が習氏の歓迎式典で、「台湾は中国領土の一部である」と発言したと伝え、中国が主張する「一つの中国」の原則への支持を繰り返し表明したと報じています。

 習氏は8日中にセルビアからハンガリーに移動しました。

 EUとNATOの加盟国でありながら「親中ロ」とされるオルバン首相と会談し、対中包囲網を強める欧米への対抗策を模索するとみられます。