16日の地震では、家庭用の灯油タンクが倒れ油が流れ出る事故も相次ぎました。二次災害につながる恐れがあるとして、消防がタンクの固定を呼び掛けています。

 宮城県の大崎広域消防本部によりますと、管轄する1市4町では、16日の地震で危険物漏洩による緊急出動が6件ありました。

 いずれも、固定されていない家庭用の灯油タンクが転倒したものです。

 灯油が流れ出ると火災の危険があるほか、排水溝などを通じて河川に流れ込み、環境破壊につながる恐れがあります。

 2021年2月に起きた福島県沖地震では、住宅から出た灯油が川に流れ込んだ影響で浄水場への水の取り込みを止めざるを得なくなり、塩釜市と多賀城市で最大2万1000世帯が断水しました。

 こうした灯油タンクへの対応が重なれば、人命救助にも影響が出かねません。

 大崎広域消防予防課遠藤博樹課長補佐「ホームタンク倒れているという段階で消防隊が行って措置することになっているが、消防力が割かれてしまって本当に1分1秒を争う方々になかなか多くの手を差し伸べることができない」

 事故の多発を受けて、大崎広域消防本部はチラシを作り灯油タンクの固定を呼び掛けているほか、灯油の販売やタンクの設置業者にも、注意喚起の協力を依頼しています。

 大崎広域消防本部予防課遠藤博樹課長補佐「(灯油タンクは)一般家庭に相当数普及しているので、設置するだけじゃなくてしっかり固定することで地域の安全にも、防災にもつながると」