太陽光発電施設から送電用の銅線ケーブルが盗まれる被害が急増しています。5月末時点での被害件数や被害額は、既に前の年1年間を大きく上回っていて、警察が警戒を強めています。

 宮城県石巻市大川地区の太陽光発電施設です。施設の前にあるモニターの本日の発電電力は、0キロワットアワーとなっています。

 佐藤和隆さん「地中に埋まっている線を、地中から取って切って取っていったという状況ですよね」

 28日午前、施設の保守を担当する会社からの連絡で、発電した電気を送る銅線ケーブルが切断されたり引き抜かれたりして盗まれていることが分かり、警察に通報しました。

 盗まれた銅線の本数など、全体の被害状況はまだ把握できていないということです。

 佐藤和隆さん「きょうもですけど、全く稼働していない。更にこれが完全復旧するまでは、電気を発電しないという状況に陥ってますね」

 夜の人通りが少ないこの地域、関連は不明ですが防犯カメラには28日の午前2時ごろに隣接する農道をゆっくりと走る不審な車の様子が残されていました。

 警察によりますと、宮城県の太陽光発電施設から銅線が盗まれる被害は5月末までで31件、被害額は1億5000万円に上っていて既に前年1年間の被害を大きく上回っています。

 警察は、銅の価格の高騰に伴って売却目的の窃盗が増えているとみて、警戒を強化すると共に事業者に対して対策の強化を呼び掛けています。