安定的な皇位継承を巡り、自民党は有識者会議の報告書を妥当とする所見を衆参両院の議長に報告しました。大型連休明けの5月から与野党での議論が始まる見通しです。

自民党 茂木幹事長 「政争の具にしたり、または国論を二分するようなことがあってはならない。静謐(せいひつ)な環境のもとでですね、誠実に協議を重ね、立法府の総意というものを作り上げていきたい」

 自民党がまとめた所見では、皇族の数の確保は喫緊の課題だとして皇位継承の問題とは切り離して議論すべきだとしています。

 そのうえで皇族の数を確保するため、政府の有識者会議の報告書で示された3案を「十分理解できる」と容認しました。

 具体的には、皇族女子を結婚後も皇室に残す案については「皇族数確保のために必要」と明記したうえで、女性皇族の夫と子どもは「皇族の身分を有することなく一般国民としての権利・義務を保持し続けることが適切」としました。

 また、旧皇族の男系男子を養子縁組で皇籍に復帰させる案については「皇族数確保、安定的皇位継承のため必要な方策」としました。

 ただし、養子となった男性は皇位継承資格を持たず、皇室に入った後に生まれた男子は皇位継承資格を有するとするのが適切としています。

 報告を受けた額賀衆議院議長は5月の連休明けから与野党で議論を始める考えを示しました。

 皇室典範の改正に向け、幅広い合意を得られるかが焦点です。