認知症は、記憶力や判断力など認知機能に障害が起こる病気ですが、平均寿命が延びたことを背景に増加傾向にあります。

 国の推計では現在470万人ほどいるとみられていますが、2040年には584万人になるとされていて、その後も増え続けるとみられています。

 主な原因は加齢ですが、生活習慣を見直すことでリスクを下げられることが以前から分かっています。

 脳の研究歴27年、認知症予防の専門家に聞きました。

 東北大学加齢医学研究所瀧靖之教授「いわゆる生活習慣病、高血圧、糖尿病。特に糖尿病は認知症のリスクを高める。たとえ遺伝的にリスクが大きかったとしても、生活習慣を変えることで、ある程度遺伝的要因を乗り越えることができる」

 瀧教授によりますと、高血圧や糖尿病は血管をもろくする動脈硬化を起こしやすく、脳に十分な血液や栄養が届きにくくなることで認知症のリスクを高めます。

 肥満や喫煙、過度な飲酒は要注意です。その上で、

 瀧先生は、脳を健康に保つ3つのポイントを挙げています。1つ目は運動です。

 東北大学加齢医学研究所瀧靖之教授「記憶に関わる海馬と呼ばれる領域がありますけど、運動は海馬の機能を高めて海馬の中の神経細胞が新しく生まれる」

 週に数回、30分程度の息が弾む有酸素運動を行うことが理想ですが、筋トレや簡単な運動だけでも有効です。

 2つ目は睡眠です。寝ることで記憶が定着することが分かっていて、6時間から8時間の睡眠が良いということです。

 東北大学加齢医学研究所瀧靖之教授「アルツハイマー型認知症の原因物質であるようなアミロイドベータという異常たんぱくがありますけど、寝ることで脳から洗い出されるということも言われています。だから睡眠はすごく大事です」

 3つ目は食です。脳と腸は密接に関わっていて、腸内環境を良くすることが大切です。 東北大学加齢医学研究所瀧靖之教授「和食とか地中海食が良いと言われています。肉よりは魚介類中心、野菜果物中心、ちょっとカロリー控えめ、品目多め、食物繊維多め。この辺りが脳の健康維持には非常に良いと」

 他にも、会話も脳の様々な部分を使うことなどから良いとされていますが、瀧教授が今年から始めた新しい取り組みがあります。

 デジタルペンを使って何やらタブレットに絵を書いていますが、趣味や知的好奇心を持つことで脳の健康維持を目指す教室です。

 絵を描くことは、緻密な作業に加えて楽しさや向上心が脳に良い刺激を与え、認知症のリスクを下げることが分かっています。

 参加者「1時間半は短いですよ。すぐ終わっちゃいます。コミュニケーションも取れるし楽しいですよ」「タブレットに向かえば、自分が自由になる。自由って楽しいよね」

 東北大学加齢医学研究所瀧靖之教授「自分自身が楽しいからわくわくするから、何か色々なことをやると。そうすると脳の可塑性といって変化をする力、脳の中のネットワークが改変されていって、より様々なことをするために最適な脳に変わっていくと」

 絵を描くことだけではなく、旅行や推し活なども良いし、音楽鑑賞よりも楽器演奏、スポーツ観戦よりも運動など能動的な趣味がより効果的だということです。