16日の地震では、2021年2月にあった福島県沖を震源とする地震と揺れの特徴が共通していることが分かりました。

 また、宮城県沖に地震の空白域が見つかり、今後、地震が起こりやすい可能性があります。

 報告会は、東北大学災害科学国際研究所が22日にオンライン形式で開催しました。

 揺れの特性を示す地震波に詳しい大野晋准教授は、地震計のデータを分析した結果、今回の地震の方が2021年2月の地震よりも揺れが大きかったが、揺れの特徴は共通していたと報告しました。

 大野晋准教授「2021年の地震も2022年の地震も、どちらも基本的には短周期卓越型であったということができます」

 短周期卓越型は、周期の短いカタカタとした細かい揺れが強く起きるのが特徴です。

 この揺れは建物の倒壊までは引き起こさなくても、比較的小さなものを強い力で動かすことから、屋根やブロック塀などに被害をもたらすとされています。

 大野准教授は、揺れの特徴がどのような被害に結びついたかを明らかにするために、更にデータを集めるということです。

 また、地震地質学が専門の遠田晋次教授は、2つの地震の震源はほぼ同じ福島沖の地点で、メカニズムもプレート内部の断層が引き起こすスラブ内地震だったと報告しました。 このため、2021年は2月に地震が起きた後で3月、5月と続いたように、2022年も続く可能性があると指摘しました。

 遠田晋次教授「この辺りの地震活動の活発化、これが静かな状況になるにはかなりの時間がかかるのではないかというふうにみています」

 また、遠田教授は宮城県沖に地震の空白域があることも突き止めました。

 東日本大震災以降にプレート内で発生した地震を調べた結果、宮城県沖に3月16日と2021年2月、2011年4月の地震の推定震源域に挟まれる形で、未破壊域と呼ばれる地震が起きていない領域がありました。

 未破壊域には、ひずみがたまっているとみられ、地震が起こりやすい可能性があるということです。