仙台市では2022年度、初めて保育施設に入れない待機児童の数がゼロになりましたが、一方で、いわゆる隠れ待機児童と呼ばれる子どもたちが数多くいて課題となっています。

 仙台市の待機児童は、2008年度に740人と全国で最も多くなった後、市が保育施設を増やすなどして徐々に減少し、2022年度しゼロを達成しました。

 38人の園児が通う宮城野区のいぶき保育園宮城野です。保護者からは、仙台市の対応を評価する声が聞かれました。

 保護者「本当によく自治体がしっかりフォローしてやっていただいているので、共働きなんですけど非常に助かってます」

 仙台市内の保育施設には、他にも1532人の空きがあります。一見余裕があるように見えますが、実は自宅の近くなど希望した施設に入れず、保護者が育休を延長するなどした隠れ待機児童が428人もいます。

 この保育園でも、最寄りの施設に空きがなく、遠くから子どもを通わせている保護者がいます。

 保護者「お兄ちゃんの時は、最初は何十件と電話してやっとこちらにつながって、預けることができたんですけども、同じ園に行かせたいということで、うちの弟の方も行かせてました

 いぶき保育園宮城野阿部千鶴子園長「働かなきゃいけないけど、子どもを見てくれるところが見つからないので、とにかく(解決の)糸口を見つけたいという、本当に切羽詰まったお声の電話は4月になっても受けてますね」

 保護者が希望する施設と空きがある施設のミスマッチを、どう解消していくかが今後の課題となります。