宮城県の多賀城が創建1300年を迎えました。創建した年などが記され平安時代の終わりごろから多くの和歌にも詠まれている多賀城碑が、国宝に指定されました。

 奈良時代に朝廷の出先機関として東北全域を治める行政と軍事の拠点の役割を果たした多賀城は2024年に創建1300年を迎え、各地でイベントが行われるなど盛り上がりを見せる中で、南門の近くにある多賀城碑が国宝に指定されました。

 約2.5メートルの石碑で、神亀元年(724年)に多賀城が設置されたことや、奈良の平城京から多賀城までの距離が記されています。

 現存する数少ない奈良時代の石碑であることや、古事記や六国史にも記されていない多賀城の創建された年が唯一記されていることなどが評価され、国宝に指定されました。

 宮城県での国宝指定は、慶長遣欧使節関連資料以来23年ぶりで、古文書としては初めてです。

 国宝指定を受けて宮城胃県と多賀城市が共同で会見を開き、喜びを分かち合いました。 

 村井宮城県知事「多賀城の創建年代を今に伝える唯一の資料、多賀城碑が国宝に指定される運びとなりましたこと大変うれしく思っております」
 深谷晃祐多賀城市長「碑・政庁跡という文化財がますます市民にとって愛されるものになればいいと思っておりますし、なるという確信をしておりますので、本当に意義深い国宝指定だと思っております」

 また、東北歴史博物館が所蔵する宮城県多賀城跡出土品など3件が国の重要文化財に指定されました。