記録的な円安の影響は、学校の教育現場にも及んでいます。仙台市青葉区の私立高校では、海外への研修旅行費用が高騰し保護者に追加徴収を求める事態になっています。

 宮城県の高校で唯一音楽科がある、常盤木学園高校です。

 10月に2年生が参加する音楽の都、オーストリアのウィーンへの研修旅行は、音楽科の一大イベントです。

 音楽を志す生徒たちにとって、オペラ鑑賞など本場の芸術を体感できる貴重な機会です。

 常盤木学園高校松良千廣校長「48万円という生徒の修学旅行にしては、随分ぜいたく」

 円安の影響でホテルの宿泊費や食事代、バス代などが軒並み高騰し、コロナ禍前は30万円ほどだった費用はオペラの鑑賞チケットを含めると48万円にもなってしまいました。

 旅行の積立金は月5000円上積みしましたが、それでも足りず15万円ほどを追加で徴収するということです。

 常盤木学園高校松良千廣校長「ここまで上がるとは思わなったですね。円安が一番大きいですが、コロナでうまくいっていなかった世界中のホテルが値上げをしているのが重なっていますから」

 それでも、乗り継ぎ便で費用を抑えるなどして生徒の成長につながるウィーン旅行は継続したいと話します。

 常盤木学園高校松良千廣校長「(旅行後)進路も変わる生徒まで出てくるくらい効果がありますね。ウィーンも代わりになるところが無いので、値段にかかわらず連れて行ってあげたいなと思っています」