太平洋戦争で東京大空襲があった1945年3月10日にアメリカ軍のB29爆撃機3機が墜落した、蔵王連峰にある宮城県の不忘山でアメリカ兵をしのぶ慰霊登山が行われました。

 志村正光さん(70)と、古山敏彦さん(69)は、アメリカ兵の慰霊を続けています。

 古山敏彦さん「2025年に慰霊登山に挑戦した折、悪天候のために行けなかったので1年越しの慰霊登山になりまして」

 9日早朝、宮城県の白石市と七ヶ宿町にまたがる不忘山の慰霊登山で、志村さんと古山さんはB29が3機墜落したそれぞれの場所を目指しました。

 1945年3月10日の東京大空襲では、10万人が犠牲になりました。同じ日にB29が3機、不忘山に相次いで墜落し乗組員34人全員が死亡しました。墜落の理由などは分かっていません。

 志村さんと古山さんは、はじめに3番機の墜落現場を目指しました。2015年に志村さんが石碑を建てた場所です。

 志村正光さん「これからが人生だという人がその若さで命を亡くすということは、すごく悲しいことだと思うんです。そういう方々が少しでも安らかに眠れれば、という思いが働いたんでね」

 2015年以来となる墜落現場は、様子が大きく変わっていました。2時間余り探しましたが、石碑は見つかりませんでした。

 志村正光さん「ちょっと申し訳ないけど、ここで断念ですね」

 続いて2番機の墜落現場を目指します。登ること3時間、2番機の墜落現場を見渡せる場所に建てられた石碑に着きました。

 敵国だったアメリカの兵士たちですが、地元の人たちは戦争が終われば敵も味方もないという思いで、慰霊を続けてきました。

 古山敏彦さん「人類は皆兄弟なんだと。世界平和が一番大事なんだということを忘れられないように、そういった考えを伝えていかなくちゃいけないなと」

 墜落から81年が過ぎ、志村さんと古山さんはこの場所で起きたことを伝えていくことが大切と話します。

 志村正光さん「こういうことがあったと後にも知らせて、やっぱり戦争は悲しい出来事なんだと、実際に見て感じてもらうためにも、やっぱり残せるようにしたいですね」