仙台医療圏の4病院再編構想のうち仙台赤十字病院と宮城県立がんセンターの統合について基本合意が結ばれたことを受け、宮城県名取市は2024年度にも専門部署を設置する考えを示しました。一方、県議会の野党3会派は県政への不信が増しているとして、基本合意の一時保留と議会への説明を求めました。

 名取市の山田司郎市長は27日の会見で、名取市に新設される病院業務への対応を強化するため、2024年度にも庁内に専門の部署を設置する考えを明らかにしました。人数や規模については部署の機能や業務量を踏まえて検討するとしています。

 一方、県議会のみやぎ県民の声、日本共産党宮城県議団、立憲・無所属クラブの野党3会派は27日、県政への不信感が増大しているとして県に緊急要請を行いました。

 要請書では、17日に仙台市太白区で住民説明会を開いた時点で基本合意締結が決まっていたにもかかわらず、住民や議会に説明が無かったことは行政への信頼関係を根底から否定するとして、基本合意の一時保留や関係資料の公開、県議会への早急な説明などを求めています。

 要請後の意見交換で、県議からは「議会に一度も説明せず住民にも隠して強硬に基本合意をしてしまうそのやり方がおかしい。議会で何のために議論するのか。人を馬鹿にするような行政はあり得ない」「再編に賛成する県民と反対する県民が分断され、このまま病院ができたとしても遺恨が残る」などと県の姿勢を厳しく批判する声が上がりました。

 県側は「これまで議会では、年度内のできるだけ早い時期にと説明してきた。基本合意を結んだことでこれからは日本赤十字社も交えて説明できる環境が整った」と説明しました。