今月、台湾の東海岸であった地震で沖縄県に津波警報が出されましたが、津波情報を旗で伝える「津波フラッグ」が沖縄県の少なくとも6つの市町村の海岸で実際に使われたことが分かりました。

 「津波フラッグ」は赤と白の格子柄の旗で、海水浴場にいる耳が不自由な人や泳いでいて音が聞こえにくい人たちに津波警報などが出たことを伝える仕組みです。

 6月で制定から4年を迎えます。

 気象庁によりますと、今月3日の台湾付近を震源とする地震で沖縄県に津波警報が出た際に、糸満市など少なくとも6つの市町村の7つの海岸で実際に「津波フラッグ」が使われたことが分かりました。

 海開きをしていた海水浴場のほか、急いで「津波フラッグ」を掲げた車を走らせて警戒を呼び掛けた事例もあったということです。

 気象庁の地元担当者は「これまで実際に活用する経験が少なかったが、参考になる事例の報告もあり、普及啓発につなげていきたい」としています。

 一方で、気象庁が16日に発表した最新の調査では、2023年までに「津波フラッグ」を導入した市町村の数が海水浴場がある全国402の市町村のうち、およそ6割の255カ所でした。

 気象庁は2025年までに8割以上の自治体が導入するのを目指していますが、2023年の調査と比べると6カ所しか増えておらず、伸び悩む結果となりました。