3日の台湾地震により沖縄県で観測された津波について、専門家は地震のエネルギーが分散したことで予想よりも小さくなった可能性があると分析しました。

 気象庁の観測によりますと、台湾に最も近い与那国島では地震発生から30分以内に約30センチの津波の第1波が到達し、その後10分から20分ほどの間隔で波が押し引きしました。

 東北大学の今村文彦教授は、マグニチュード7.7という地震の規模から想定される津波としては、比較的小さかったと指摘します。

 東北大学災害科学国際研究所今村文彦教授「マグニチュード7.7に対しては警報レベルなので、3メートル程度の津波は通常であれば可能性があります。今回はおそらく地震そのものが海の部分と陸側の部分と両方にかかって、全てのエネルギーが津波を起こしたものではなかったのではないか」

 今回震源となった台湾の東沖は、これまでにもマグニチュード7以上の地震が頻発しています。

 東北大学災害科学国際研究所今村文彦教授「(沖縄県に津波が到達した例は)過去ありますね。ただし大きな被害を出したものは1771年の八重山(地震津波)までさかのぼります。他の日本での地域に比べて頻度は高いとは言えないですね」

 今村教授は、観光客を含めて沖縄県でも地震が来たらすぐに海から離れるよう注意を呼び掛けています。