6日、東京都心は今年1番の暑さ、三重県の桑名市は38.3℃と今年の全国最高を更新しました。夜になっても気温が下がらず熱帯夜が続きますが、上空からサーモカメラを使って見てみると、真っ赤な暑いエリアがある一方で、局地的ですが、青色のクールスポットも確認できます。

■今年全国最高38.3℃“暑すぎ列島”

(羽島有哉記者)「午後3時半の三重県桑名市です。強い日差しが照り付けていて、日なたに立っていられません。太陽がすぐそこにあるかのような、そんな暑さです」 三重県桑名では最高気温38.3℃。今年の全国最高気温を更新しました。 「もうお風呂上がりですよね…」 (草薙和輝アナウンサー)「七夕祭りで賑わう埼玉県川口市です。手元の温度計で現在気温は37℃を超えています」 例年10万人が訪れる川口市の夏の風物詩『川口七夕まつり』。埼玉県では、越谷で35℃以上の猛暑日を観測するなど猛烈な暑さとなりました。 Q.どうですか今日浴衣着て? 「暑い…暑いです」 「この首の保冷剤は絶対(必要)、中に氷が入っていて2時間持つかなくらいですけど…」 出店で焼きそばを焼くこちらの店主は、万全の暑さ対策で臨んでいます。 (焼きそば店主)「こんな感じで…」 (草薙和輝アナウンサー)「ファンが付いているんですね」 (焼きそば店主)「だいぶ違う!」 Q.大丈夫ですか? 「大丈夫かどうか、頑張ります」

■“暑すぎ列島”北海道も初の猛暑日

一方、北海道では、女満別や斜里で、今年初、35℃以上の猛暑日となりました。最高気温34.9℃を観測した北見市では… (バーベキュー客)「かんぱーい!うん美味しい!うまい!」 午前中には30℃を超える暑さの中、バーベキューを楽しむ人たちの姿が… (バーベキュー客)「めっちゃ暑いですね。最高です」

この暑さに涼を求めるのは、人間だけではありません。 兵庫県一宮では36.5℃を観測。今年最高を記録しました。この暑さのためか、水に潜るサルも… Q.おさるさん見てどうでした? 「めっちゃ涼しくなりました」 猛暑日は全国で139地点と今年最多となりました。熱中症警戒アラートが初めて発表された東京ではこの日、28人が熱中症の疑いで救急搬送されました。

■空から見た東京の夜“極暑&涼”場所は

寝苦しい夜が続く東京。どこの温度が高く、どこが低いのか。上空からサーモカメラで覗いてみました。この時間、多くの人が行きかう渋谷駅前… (坂内徹カメラマン)「赤いです。真っ赤です。周りと比べてそこだけ赤いです。スクランブル交差点は周りに比べて温度が高いことが分かります」 緑が多い皇居では… (坂内徹カメラマン)「皇居前広場、アスファルトの部分、道路の部分はくっきりと赤くなっています。木が生えている部分は温度が低めのようです」 これは、樹木が太陽の熱をためにくいため。一方、アスファルトは熱をためやすく、温度が高い状態が続きやすいのです。 東京都庁のそばの公園にある、3つの温度が高い地点。ここにもアスファルトなどが使われています。 (坂内徹カメラマン)「都庁は赤いですね。都庁の西側は温度が高く、東側は温度が低いことが分かります」 同じビルでも、光の当たり具合で温度が違います。そのため、直前まで西日が当たっていた都庁の西側が、より熱くなったのです。 楕円状にくっきりと温度が低くなっている、こちらの建物… (坂内徹カメラマン)「国立競技場です。屋根の部分、温度が低いことがわかります。そしてその隣、もっと温度が低いところが、東京体育館です。屋根の部分がかなり青くなっています」 建物の素材によって温度も変わります。どちらの屋根にも、熱が伝わりにくい特殊なステンレスが使われているため、温度が上がりにくいといいます。 サンシャインシティが建つ池袋駅周辺では、ビルの谷間に温度の低い緑地なども見られますが、番組が注目したのは、温度の低いビルが点在する、このエリア… その場所へ行ってみると、ひときわ温度が低いビルがありました。

■“低温ビル”壁一面の緑で日光防ぐ

(草薙和輝アナウンサー)「あ、ここですね。周りの建物と比べてもサーモカメラの温度、色が違いますね。低くなっています。そして建物を見ますと、一面緑で覆われていますね」 ビル全体に緑が生い茂ったこちらのビル。近づいてみると… (草薙和輝アナウンサー)「仙行寺ですかね、こちらの緑に囲まれていた建物、お寺だったんですね。そしてこちら、奥に行きますと、大きな大仏の姿がありますね」 住職に案内してもらうと、ベランダには土が敷き詰められ、木が植えられていました。 (松栄山・仙行寺 朝比奈文邃・住職)「現代のお寺の形を模索したときに、町全体を緑化していきたいという、そのシンボルとなるような、“大きな木”みたいなところを(建築家に)デザインしてもらいたいと。日陰も作りますし、温度下げてるなというのは非常に感じますよね」 専門家によると、ビルの緑化には部屋に入る日照をさえぎり、壁面の蓄熱を防ぐという、2つの効果があるといいます。特に壁面の温度は、緑化の有り無しによって10℃の差が出ることもあり、熱帯夜を防ぐ効果もあるといいます。 (松栄山・仙行寺 朝比奈文邃・住職)「歩いていてもコンクリートだけじゃなくて、グリーンが置いてあるだけでちょっと違うじゃないですか。影をつくるといいますかね。町全体が緑化に取り組んでいくことが必要なのかなと思います」

7月6日『有働Times』より