関西電力が宮城県川崎町に計画している風力発電についてです。

 県の審査会が6日「蔵王の景観に確実に深刻な影響を与える」と指摘し「撤回を含めた絞り込み」を促す答申案をまとめました。

 それでも関西電力は、計画を更に縮小した上で実現を探る方針です。

 関西電力が川崎町に計画している風力発電について、環境アセスメントをめぐる県の審査会が6日午後県庁で開かれました。

 前回の審査会で関西電力は、予定地が蔵王国定公園にかかっていることを批判されたため、国定公園への建設をあきらめ風車の数を最大23基から最大19基に減らした経緯があります。

 しかし、6日の審査会でも見直し後のイメージ図をめぐり審査会の会長で景観を専門とする東北大学の平野勝也准教授が「御釜の展望台から19基のうちのほとんどが見える。景観に確実に深刻な影響を与える」と述べました。

 関西電力は計画を更に見直し、立石山や名乗沢支流を予定地から外す方向で検討するとともに、エリアや風車の数についても「更に絞り込む」と説明しました。

 しかし、平野会長は関西電力の説明後に「蔵王は東北および日本全体の財産であり、景観的にはゼロオプション、つまり計画の撤回を考えていただくしかない」と述べました。

 一方、関西電力は答申案については「我々には提示されていないので、回答できない」とした上で、計画を実現する方針を示しています。

 関西電力のこの風力発電計画をめぐっては、村井知事や小山川崎町長も明確に反対の意向を示しています。