宮城県石巻市にイスラム教の礼拝堂、モスクが完成しました。県内で暮らすイスラム教徒の心の拠り所になることが期待されています。

 2日、石巻市にアザーンと言われるイスラム教の礼拝を呼び掛ける声が響きました。

 モスクが完成したのは石巻市松原町で、石巻地方で初めてのモスクです。

 モスクの内部は、シンプルながらも美しく装飾され荘厳さが漂います。

 建設の中心を担ったのは、震災後に復興支援のため石巻に移住した、建設業を営むソヨド アブドゥル ファッタさんです。

 ソヨドさんは、石巻にモスクが無いためにイスラム教徒の技能実習生らが、お金や時間をかけ仙台のモスクまで通わなければならないことに心を痛めていました。

 ソヨド アブドゥル ファッタさん「皆さんの悩み1番目。仙台まで足を運ぶか行かなければ悩んで家で(礼拝)するか。モスクがあればちょっと行って、自分の心がすっきりしてきたいなという気持ちをみんな持っている」

 ソヨドさんは土地を購入し、3カ月半をかけモスクを完成させました。

 この日は、インドネシアからの実習生らが集まり、早速礼拝を行いました。

 水産業で働くインドネシア特定技能外国人「うれしいです。宿舎からも近いし休みの時はここに来ます」「仙台まで行くのは大変だったです。遠いです。時間はかかります。でも、今は近くてよかったです」

 ソヨドさんは将来この場所を、イスラム教の人だけでなく地域の人も気軽に立ち寄れる場にしたいと考えています。

 ソヨド アブドゥル ファッタさん「ちょっとゆっくりしてハラル料理を食べたり、コーヒーを飲んだり、本を読んだり。それはイスラムだけじゃなくどんな人でも利用できる場所を(つくりたい)。様々な国の人が、安心して共に暮らせる社会をつくりたい。ソヨドさんの夢は広がります。

 ソヨドさんは、多くの日本人にもモスクに来てもらい、イスラム教のことを正しく知ってもらうきっかけになればと話していました。