宮城県丸森町の耕野地区で、特産のころ柿に使う柿の収穫作業が始まりました。変形した柿の実が多く、ある農家ではころ柿の出荷量が例年の1割にまで減ると見込んでいます。

 丸森町耕野地区の八島哲郎さんの畑では、11日の午後から特産のころ柿に使う柿の収穫が始まりました。

 八島さんは200本ほどの柿の木を育て、毎年3万個のころ柿を出荷していますが、異変が起きています。

 柿農家八島哲郎さん「これだ、まいったなぁ、これは干し柿には無理かなあ」

 こうしたいびつな形の実は、毎年1本の木に数個見られますが、非常に多くなっていて全体の8割を占めています。

 変形した柿の実を食べても問題はありませんが、贈答用としての販売は難しいため出荷量は例年の1割ほどにまで減る見込みです。

 柿農家八島哲郎さん「(数は少ないが)気にかけていただいて、どうなのかなと畑を思い出したり、丸森を思い出しながらお召し上がりいただくのが私はうれしいです」

 県によりますと、変形した柿の実が丸森町や白石市を中心に県内各地で確認されているということです。

 宮城県園芸推進課上野慶紀技術主査「例年も奇形果(変形した実)が発生しているかもしれないですけれども、こういった大量に被害が発生しているというのは初めて聞きました」

 柿は4月下旬頃に発芽し、6月上旬頃に開花するとされています。

 県は、この時期に高温の日や1日の気温差が大きな日があると木にストレスがかかり、変形の原因になるのではないかと推測しています。

 宮城県園芸推進課上野慶紀技術主査「アメダスのデータとかも見てるんですけれども、過去と比較して特に奇形果の発生の要因となるような日が多かったというのがつかみづらいのかなというふうに考えております。今のところ、これが原因だというのがつかめていないような状況でございます」

 県は、今後のためにも柿の木をしっかり管理することが重要だと考えていて、実を全て収穫し、枝の剪定作業をしてほしいと呼びかけています。

 丸森町のころ柿は、2021年も遅霜の影響で出荷量が減っていて2年連測で打撃を受けています。八島さんは「本当に困った」と話していました。