次世代放射光施設ナノテラスが2024年4月の本格運用に向けて7日、分析に使う放射光が初めて実験装置に続くビームラインに到達しファーストビームを成功させました。
東北大学の青葉山キャンパスに整備が進む次世代放射光施設ナノテラスは、非常に明るい光を物質に当てることで、その構造をナノレベル=100万分の1ミリ単位で解析できる巨大な顕微鏡です。
山下裕志記者「様々な物をナノレベルで解析するための放射光が、いよいよこちらを通って出てきます」
7日に関係者が出席し、記念の式典が開催されました。1周349メートルの円型の加速器には電子が蓄積されていて、ここから出る放射光を分析装置に続くビームラインへ初めて導きました。
放射光を初めてビームラインへ導くことはファーストビームと呼ばれていて、このビームラインを通る放射光が実際の物質の分析に使われます。
量子科学技術研究開発機構小安重夫理事長「建設を始めてからコロナ禍となりまして、資材の調達など色々困難がございました。本当に皆さんに心から感謝を申し上げたい」
光科学イノベーションセンター高田昌樹理事長「この光を基に大きく日本の産業に貢献していきたい」
ナノテラスはビームラインの微調整などを重ね、2024年4月から運用を始める予定です。