キャンパス内でクマの目撃が相次いでいた宮城大学で、またクマが出没しました。11日から対面での授業を再開したばかりでした。一時騒然となる中、記者がその姿を捉えました。
宮城大学の大和キャンパスでは、11月4日と7日に敷地内でクマが目撃されました。 これを受け、大学は10日まで休講やオンライン授業で対応するなど対策を講じ、11日からは対面での授業を再開しました。
大学では1日3回、爆竹を鳴らして警戒しているほか、屋内での移動を徹底するため外の通路を一部通行止めにするなど、安全対策を行っています。
取材して記者が、動く黒い影に気付いて走りだしました。
鈴木暁人記者「大学の敷地内にクマが出ました。クマが走って逃げていきます」
敷地内に突然現れたクマは、大きさから子グマのようにも見えます。
大学は一時騒然となり、すぐさま大学の職員が付近を警戒しながら、登校してくる学生を誘導します。現場には通報を受けた警察と役場の職員も駆け付けました。
クマの出没により、大学は午後の授業を休講にて、学生たちも指示があるまで構内で待機します。
学生「授業が結構無くなっているので。クマが来なければ、また普通の生活ができると思うので」「最近ニュースになり始めて、やっぱり危ないなとは感じるようになった。結構怖いです最近」
帰宅の際、車で通学する学生のため駐車場までの道もマイクロバスに乗せて移動するなど、安全対策は入念に行われました。
宮城大学企画・入試課南広貴課長「安全確保に向けた対策につきまして、可能な限りの対策を講じてまいりたいと考えております」
宮城大学は13日と14日の2日間、オンライン授業に切り替えるということです。
宮城大学の近くでは、泉区紫山1丁目の仙台白百合学園中学・高校や宮城県図書館でもクマが目撃されています。
宮城県富谷市では、クマを寄せ付けないため不要になった栗や柿の木の伐採を始めました。
新田智紀記者「地元の森林組合のメンバーが、住民からの依頼を受けて栗の木を伐採しています」
富谷市は、人里にクマを寄せ付けないため、家庭で不要になった栗や柿の木を無償で伐採する取り組みを10日から始めました。
伐採の条件は、住宅から200メートル以内にある栗や柿の木などです。12日、富谷市から委託を受けた黒川森林組合などのメンバー5人が、富谷新町の住宅の裏山にある栗の木5本を伐採しました。栗の木の幹にはクマの爪痕が残っていました。
住民「これが今年のやつです。これは去年の爪痕。確実に(クマは)来てるんです。小学生とか小さい子どもがいっぱいいるので、苦渋の判断でした」
富谷市農林振興課佐藤純一主幹「人間とクマとの境界線がはっきりするような形になるように、きちんとクマを寄せ付けないような対策が一番必要。そういったところをしっかり徹底していく」
富谷市によりますと、12日正午時点で24件79本の伐採依頼が寄せられているということです。来年1月30日まで依頼を受け付けています。
富谷市では9月、歩いて買い物に向かっていた64歳男性がクマに襲われ、けがをしています。
クマの出没が相次いでいますが、走行中の車と衝突するケースも増えています。こうした事故を防ぐ、また遭遇した場合にはどのように対応したら良いのか専門家に聞きました。
12日午前3時50分ごろ、宮城県大衡村大瓜の国道457号で「軽乗用車がクマと衝突した」と目撃した人から警察に通報がありました。
クマは体長1.5メートルほどで車と衝突した後、西側に立ち去ったということです。 運転手にけがはありませんでしたが、車は左前方のフロントガラスが大破し、動かない状態だったということです。
宮城県では11月、川崎町支倉や仙台市青葉区上愛子などでも車とクマが衝突する事故が起きています。
こうした事故に遭わないためには、どのように対応したら良いのでしょうか。
JAF宮城支部佐藤陽広報担当「対応できるような速度ですね、急ブレーキを踏んだり、緊急回避ができるような速度で走行する。あと後続車との車間距離ですね。そういったことを意識しながら、前方だけではなく前後左右注意しながら運転していただきたい」
こうした事故は物損事故として扱われ、警察や道路管理者などへの通報が必要です。クマが生きている場合があるため、様子を見に行くことは避けてください。
JAF宮城支部佐藤陽広報担当「まだ生きている可能性もありますし攻撃してくることも考えられますので、(ハザードなどで)後続車に異常ですなどということをお知らせして、車内から警察にご連絡するというのが無難だと思います」