福島県などで相次いで出没しているクマの被害を防ぐにはどうすればいいのか。この時期としては大規模なクマ100頭の捕獲現場を密着取材しました。
■クマが活発化 被害防ぐには?
福島県郡山市の市街地では8日も大規模なクマの捜索が行われています。
6日夜から住宅街を駆け回っているクマ。体長は約1.5メートル。8日朝から目撃情報が続いています。
自宅の庭でクマの足跡を見つけた住人は…。
住人 「本当にびっくりして、心臓が飛び出るくらいびっくりして家にそのまま犬と一緒に飛び込んだ。怖かった。犬の散歩中じゃなかったことは不幸中の幸い。1回出るとまた出ると思っているので本当に怖い」
8日午後3時半すぎ、クマが潜む現場では郡山市で初めての緊急銃猟が行われました。
クマは駆除されました。
郡山市の担当者 「危険を除去できた。安堵(あんど)している」
すでに各地でクマの出没が相次ぐなか、環境省は今月ガイドラインを改定し、基本方針を変えました。
石原宏高環境大臣 「従来のクマの個体数を維持・増加させる考え方ではなく、被害が生じている地域ではクマの個体数を減少させていく考えも示した」
■“春の捕獲”猟友会に密着
新潟県はクマの「春季管理捕獲」を今年初めて猟友会に委託。県内16市町村で春の時期だけに100頭ほどの捕獲を目指しています。
新潟県猟友会 池田富夫会長(76) 「こないだはご苦労様でした。きょうは2回目ということなので、成果の上がるように事故、けがのないように」
新潟県内ではクマの出没が昨年度、過去最多の3500件以上に及びました。クマに襲われ、17人が重軽傷を負っています。
今後、被害を減らすため、冬眠から目覚めたクマを巻き狩りと呼ばれる伝統的な狩猟で四方から取り囲み捕獲します。
ただ、春に100頭を捕獲することは容易ではないといいます。
まずは猟友会のメンバーが二手に分かれて山道の入口へ。
新潟県猟友会 池田富夫会長 「こういう山の肌にクマがいると黒くなっていて見える。今双眼鏡で見てゆっくり見ながらクマを探す。(クマは)餌(えさ)を食べている。木に上がってね」
人里近くに箱わなを設置して捕獲するのとは違い、春は山の中でクマを見つける必要があるため、難しさも危険度も格段に上がるといいます。
新潟県猟友会 池田富夫会長 「春のクマは人が近付くと逃げるので、できるだけ遠くから。見つけた場合はいかに囲むか、巻くか。だから巻き狩り。クマは巻き狩りで一日に1頭、2頭。取れないのが普通」
一方、こちらは別の場所から山を登るもう一つの班です。
ハンター歴48年の佐藤正さん(74)。
新潟県猟友会 十日町支部 佐藤正さん 「ライフルを持った人が班に何人かいないと」 「(Q.ライフルではない人は?)散弾銃のスラグ弾」 「これが中に1発」
春の捕獲は危険と隣り合わせ。銃を持ったハンターたちはこの後、クマと対峙(たいじ)することになります。
すると、30分後。
無線 「発見しましたが斜面が急で見失って探しています」
そして、ハンターたちが山に入ってから7時間後。無事に戻ってきた1人は…。
新潟県猟友会のハンター 「2頭取れた。1頭は私が何とか」
銃で初めてクマを仕留めたハンターが緊迫の瞬間を語ります。
新潟県猟友会のハンター 「ちょうど射程内に(クマが)いたので何とか仕留めることができた」 「(Q.どれくらいのクマ?)体重120から130キロは体長は130センチくらい。死んだと思って近寄ったらガッとやられることもある。何とか1発で仕留めることができた」
他のハンターたちも任務を終え、無事に帰ってきました。