磐越道で高校生ら21人が死傷した事故で、マイクロバスの運転手の逮捕状を請求する方針です。

■ブレーキ痕なし 当時の状況判明

 レッカー後も突き刺さったままのガードレールが衝撃の激しさを物語っています。

 福島県の磐越自動車道でマイクロバスがガードレールなどに衝突した事故。この事故で反対車線に投げ出された新潟市の高校生・稲垣尋斗さん(17)が死亡しました。死因は失血死でした。この事故で合わせて20人が重軽傷を負いました。

 シューズやバッグが散乱していた現場について7日、新たに分かったことがあります。捜査関係者によりますと、現場には「目立ったブレーキ痕、スリップ痕はなかった」ということです。今のところ、事故前のバスの故障は確認されていません。

元千葉県警交通事故捜査官 熊谷宗徳さん 「何かしらの原因で意識を失ってしまった可能性が高い。緩やかな角度で左に路外逸脱した結果、事故に。カーブの手前ぐらいから意識がなかった可能性がある」

 改めてレッカー直後のバスを見てみると、バスの後ろから突き出るようにガードレールが見えています。

元千葉県警交通事故捜査官 熊谷宗徳さん 「速度として(時速)80キロはくだらないと思う」

 警察は68歳の運転手がハンドル操作を誤った可能性もあるとみて、けがの回復を待って事情を聴く方針です。

■バス運行の経緯

 北越高校によりますと、バスは男子ソフトテニス部の部員20人を乗せ、練習試合が行われる福島県富岡町まで200キロ以上の道のりを行く予定でした。

 6日にバス会社の会見で明かされたのは、そのバス運行を巡る経緯です。

蒲原鉄道 茂野一弘社長 「今回は貸し切りバスを使わずに『レンタカーを使って送迎したい』と(高校側から)話をもらった」

蒲原鉄道 金子賢二営業担当 「『緑ナンバー』を使うとやっぱり高くつくので、結果的に『安いものを探してよ』とレンタカーにたどりついていく」

 事故を起こしたバスは事業用の「緑ナンバー」ではなく、自家用としての利用に限られる「白ナンバー」でした。さらに、こんな依頼も…。

蒲原鉄道 茂野一弘社長 「マイクロバスのタイプは普通の自動車免許では運転できない。先生や父兄の人で運転できる人がいないということで、ドライバーも紹介してもらえないかと」

 今回のような「レンタカーの手配」と「ドライバーの紹介」は通常では行っていないものの、例外的に“ボランティア”の形で協力したとしています。

 68歳の運転手はバス会社の営業担当者の「知り合いの知り合い」で、面識もなかったといいます。

 レンタルされた「白ナンバー」のバスを紹介されたドライバーが運転しても問題ないのでしょうか。

元千葉県警交通事故捜査官 熊谷宗徳さん 「レンタカーを借りて人を乗せる、法的な違法性は全くない。大型の免許を持っていて、人を乗せて走行することは問題ない。ただ、謝礼・お金をもらって運行した場合は白タク(白バス)、道路運送法の違反になる」

 68歳の運転手を知る人は…。

運転手の知人 「退職して市内の市役所に勤めていて、マイクロバスの運転手をやっていた」

 北越高校では7日午後7時から保護者向けに説明会が予定されています。