番組のドローンが捉えたツキノワグマの映像。撮影された場所は岩手県の八幡平市の山林。3日前には、ここからわずか400mほどの場所で山菜採りをしていた女性が死亡しているのが見つかりました。女性はクマに襲われたとみられ、周辺でクマが捕獲されたという情報はありません。この1週間、山菜とりに入ってクマに襲われる事例が相次いでいます。取材を通して、この時期ならではの注意点が見えてきました。
■独自 ドローンで激撮 女性襲ったクマか
画面左側は赤外線カメラの映像です。温度が高い場所は赤く表示されています。ドローンで山林を上空から捜索すること、約30分。 「いたいたいた」 「何、それ?」 青色の地面の一点に、ひと際温度が高い赤色の反応が… 「あ、いた、クマだ!」 熱源の正体は、ツキノワグマです。 「何しているんだ…?何か食べている」 「食べていますね、葉っぱ食べているのか…」
5月に入ってからも、各地でクマの目撃が相次いでいます。 「うわ、走り出した 走りだした急に」 秋田県では連日のようにクマが出没。 群馬県でも、観光地のバス停近くでクマが目撃されました。さらに、今が旬の山菜とりに出かけて、クマに襲われる被害も相次いでいます。 山形県では今月に入って3件の事故が発生。 岩手県八幡平市でも、7日、山菜とりに出かけたまま、行方不明になっていた69歳の女性が遺体で見つかりました。女性の顔にもクマのものとみられる引っかき傷がありました。 (被害女性の知人)「俺のおっ母(妻)と仲良くて、山菜とった金が入ると、ビール持って来てくれるようなお母ちゃんでね、何ともだから、なんと悲しくってよ…」 女性は毎年、この辺りで山菜とりをしていたといいます。 (被害女性の知人)「道路端で(山菜の)いいのがあると思ってとろうとしている瞬間にクマも出てきてびっくりしてかち合ったんじゃないかと…」 (山菜の無人販売所 店主)「いい人だ、野菜で一生懸命お父さんと頑張ってやってきたのに、何でクマに襲われたのかと思って…」 この時期、山菜は地元に人にとって収入源になっています。 市では、今年度のクマの目撃情報が22件と、去年の同時期に比べ2倍になっていて、「緊急事態宣言」を出し、山菜とりで山に入ることを控えるよう呼び掛けています。 地元の猟友会は箱わなを仕掛けていますが、クマは未だ、かかっていません。
■クマ捉える 遺体発見場所から400m
女性を襲ったクマは、この山林に潜んでいるのか…赤外線ドローンで上空から見てみると… 「いたいたいた」 「何、それ?あ、いた、クマだ!」 山林の開けた場所に座り込みじっとしているクマ。 「民家にまあまあ近いところではあるね」 クマの姿を捉えたのは、女性の遺体が発見された場所から約400mの地点です。 「子グマっぽいな、小さいね。周りの赤外線反応で言うと、この周辺には見当たらないね」 「1頭だけ」 「何してんだ…?何か食べている」 「食べていますね、葉っぱ食べているのか…」 動き出したクマは、しきりに茂みの中に頭を入れ、口を動かしている様子も見られます。発見から約20分。クマは山林の奥へと去っていきました。
■「エサ=山菜」人と遭遇で凶暴化
この映像について、専門家は… (岩手大学 山内貴義 准教授)「今の時期、新芽であるとか山菜というのを好んで食べますので、タケノコを探していたのかもしれない。それはもうクマは大好物になります」 冬眠後、エサを求め移動を繰り返すクマ。人里の山菜なども狙っている可能性が高いといいます。 (岩手大学 山内貴義 准教授)「山菜は標高の低い方が暖かいので、そこからだんだん生えていって、山の方になっていくので、どうしても出会いがしらに遭遇するっていうのはありますね」 対策は―。 (岩手大学 山内貴義 准教授)「まずは人間の存在を知らせることが重要になります。鈴とかラジオとか、場合によっては笛を持っていくこと、あとはクマと至近距離に遭遇した時に対処できるように、クマ撃退スプレーを持っていくということが重要だと思います」
5月10日『有働Times』より