建設現場のアスベストを吸い込み病気になったとして、元作業員や遺族らが建材メーカーに賠償を求め仙台地裁に提訴しました。

 訴えを起こしたのは、東北地方に住む元作業員ら4人と遺族4人の計8人です。

 元作業員らは、建設現場のアスベストを吸い込んで肺がんや悪性中皮腫などと診断されました。

 訴えによりますと、建材メーカー11社はアスベストの有害性について警告を怠り使用をやめなかったなどとして、計1億7160万円の損害賠償を求めています。

 アスベスト被害を巡っては、2021年5月に最高裁判所が国の責任を認める判決を言い渡しました。

 これを受けて、既に仙台地裁で訴えを起こしていた別の原告を含め、各地で国との和解が相次いだほか、国は提訴していない被害者への給付金制度も設けました。

 一方で、建材メーカーは賠償責任を否定していて各地で訴訟が続いています。

 原告本田正幸さん(67)「1日も早く各メーカーが賠償を認めてほしい。この世の中からアスベストを無くすように願っています」

 東北の被害者による提訴はこれが2回目で、弁護団によると7日は全国10カ所で計190人が一斉に提訴したということです。