天気が変わりやすい春先は、雨が降る前に頭が痛くなる、あるいは低気圧が近づくと体がだるいといった天気が原因の不調が起きる方もいます。こうした天気痛なぜ起こり、対処法はあるのでしょうか。

 天気痛とは、その人が元々抱えている慢性的な不調が天気の変化で現れたり悪化したりする状態のことで、頭痛や古傷の痛み、肩こりや倦怠感など人によって様々です。
 2025年にウェザーニューズが行った調査では、天気痛が「ある」と答えた人が35%、「ある気がする」と答えた人が33%と約7割の人が自覚していることが分かりました。
 症状で男女共に一番多かったのが「頭痛」で、回答者の9割を占めます。更に、3人に1人が仕事や学校を休むほどの症状があるという結果も出ています。

 なぜ天気で体調が悪くなるのか、天気痛の名づけ親で30年以上にわたり気象と痛みや自律神経との関係を研究してきた佐藤純教授に聞きました。キーワードは「気圧」です。
 中部大学/愛知医科大学佐藤純教授「天気痛に関しては主に気圧の変化が影響しているものを表しています。私たちの研究では、耳の奥の内耳と呼ばれる所に気圧を感じ取るセンサーがあることが分かりました。気圧の変化が内耳を興奮させる。本来は平衡感覚をみている所が興奮してしまう。つまり気圧が変わったという原因で興奮がきてしまうので、脳としては混乱するんだろうと思うんですね」

 耳の奥にある内耳が気圧の変化を敏感にキャッチします。そのストレス信号が脳に伝わり、体が対応しようとして自律神経が過剰に働くことで、様々な不調が起きると考えられます。
 中部大学/愛知医科大学佐藤純教授「特に注意が必要な時期は、3月と4月です。一番危ないです。春は気圧がゆらゆらと揺れてしまうことが苦手な人が多いので、まずそれが出てくる」

 不調につながるポイントは、低気圧そのものではなく気圧の変化です。春は気圧の乱高下が激しい季節だと、気象予報士の栗原さんは話します。
 栗原麻衣気象予報士「春は低気圧と高気圧が交互に次々とやってくるんですね。春は冬に比べて偏西風の流れる位置がちょっと北上するので、それに流されて高気圧や低気圧が来やすい」

 更に、気圧差が大きくなりやすい原因もありました。
 栗原麻衣気象予報士「冬の空気と春の空気がぶつかり合う時期なので、ぶつかる気温差をエネルギーにして低気圧が発達しやすいので、発達して気圧が急激に下がって次に来る高気圧によって上がりやすいっていう特徴があります」

 内耳が気圧を感じやすい人、自律神経が乱れやすい人は特に注意が必要な季節に天気痛とどのように向き合えば良いのでしょうか。
 中部大学/愛知医科大学佐藤純教授「上手に付き合っていくことはとても大事なことで、天気の影響を受けやすいということは体質的に持っていると認めなければならないので。色々な薬とか体調を整えるという方法で、それをうまくかわして付き合っていく。だけど本来は元々持っている病気もしっかり治療するということですよね。本来の病気が無くなれば、天気の影響を受けなくなりますよね。なので治るとも言えるわけです」

 自律神経をしっかり整えておくことも大切で、佐藤教授によると朝日を浴びる、3食しっかり食べる、睡眠を取る、軽い運動をするなど規則正しい生活を送るだけでも天気痛になりにくい体を作ることができるそうです。

 天気痛の人は、内耳が気圧を感じにくくすることが大切だそうです。佐藤教授は気圧の影響を受けにくくする専用の耳栓を着けることや、血行を良くするという耳のマッサージをおすすめしています。天気の影響を受けやすい人は内耳がむくんでいることが多いので、血行を良くするためにマッサージを続けてほしいとのことでした。

 更に、気圧の変化を事前に知っておくこともポイントです。天気痛が起こりやすいタイミングを予報するアプリもあり、症状に対する心構えや薬の準備など、事前の対策に役立てることができます。