参議院議員選挙の公示を6月22日に控え、事実上の選挙戦が本格化しています。1人区の宮城選挙区では、与野党の第一党に第三極や振興勢力が割って入る構図となりそうです。

 17日、自民党県連が仙台市青葉区で開いた政経セミナーに、安倍晋三元総理大臣が訪れました。
 安倍晋三元総理「私たちの与党の候補として、桜井充さんが戦ってくれることになりました。我々全力で支援していきたい」

 宮城選挙区が1人区になった2016年から2連敗の自民党は、6年前に野党統一候補として立ちはだかった宿敵の桜井充氏を公認し擁立しました。
 桜井充氏「一緒にやらないかと優しく誘ってくださったのが安倍(元)総理でございまして。この夏の選挙、自民党として議席を確保できるように最大限努力してまいりますので、多くのご支援賜りますことを心からお願い申し上げます」

 この日、推薦を受ける公明党の街頭活動でマイクを握った桜井氏は、詰めかけた約600人を前にロシアによるウクライナ侵攻を踏まえ「自立できる国家を目指すべき」と訴えました。
 桜井充氏「自分たちの手で経済的なこと、食料の問題、エネルギーの供給、自分たちで賄えるようにする、そういう自立できる国家を目指していきたい」

 「お誕生日おめでとうございます。まだか明日か。どうなの調子は?」
 医師でもある桜井氏は、今でも月に1度のペースで心療内科医として診察を行っています。
 桜井充氏「困っている人を助けるのは同じだから。医者は病気の人を助ける。政治家はそれ以外、会社の経営が大変とか資材高騰で建設業が大変とか、そういう人たちの治療は全部一緒だから」

 一方で、旧民主党から自民党入りした経緯に反発もあり、公認決定後は自民党支部を回り関係の改善を図ってきました。また、県内35の市町村長のうち32人が名前を連ねる、支援する首長の会も発足しました。
 桜井充氏「選挙の態勢は万全な状態に整った。いや、整えていただいた。あとは本人がこれから、どれだけ汗をかいて努力をするのか、その一点だけだとそう思っている」

 立憲民主党が公認する新人の小畑仁子氏(44)。18日、宮城野区で総決起集会が開かれました。
 小畑仁子氏「よし!」
 陣営幹部「追いつき、追い越し、勝利を勝ち取るために団結がんばろう、がんばろう」 
 党本部は1人区の宮城選挙区を最重点区に位置づけ、4日には泉健太代表が県内入りし、マイクを握りました。
 泉健太代表「この宮城で子ども8人、小畑仁子さん、子ども8人の県議会議員がこうして次の参議院選挙に向けて活動しています。もう生活実感満載です。生活実感の塊です」

 党が重点公約に掲げる物価高対策を実感を伴って訴えていけることが、小畑氏の最大のアピールポイントです。
 小畑仁子氏「政治は暮らしの話ですからね、常日頃から。政治とは密着している、かな。子どもたちの教育費とか教育だって、すべて政治が絡んでいるから」

 この日は、選挙に向けた活動の合間を縫って帰宅。帰宅してから一度も座ることなく30分ほどで夕飯の準備を終え、支援者へのあいさつ周りに再び出掛けます。
 次女「お母さんいかないで、行かないで」
 小畑仁子氏「きのう居なかったからね、ママね。でもすぐ帰ってくるよ」
 再び帰宅し、家族10人で食卓を囲んだのは午後8時過ぎ。大家族を抱える子育て世代だからこそ、国政でできることがあると確信しています。

 前回、前々回の参院選で、立憲民主党など野党勢力は統一候補を擁立し選挙戦を勝ち抜きました。今回は中央での野党勢力の足並みがそろわない中、県内では連合宮城を介した国民民主党との選挙協力の取り付けに続き、政策協定は結ばないものの共産党から支援を受けることが決まりました。

 小畑仁子氏「8人のお母さんでも政治に参加できる。政治に参加しなければいけないんです。一番大変そうな人が行って、そこで仕事ができる国会じゃないといけないんじゃないかと思っています」

 日本維新の会からは、新人の平井みどり氏(67)が立候補を予定しています。
 平井みどり氏「物価が上がっているんです。単に上がっているんじゃなくてすごく上がっているんです。相当です。30年間も給料上がってないんですよ。それで物価が上がったらどうなりますか生活は。やってられませんよ」

 日本維新の会は、2021年10月の衆院選で東北初の国政議席を得ました。
 日本維新の会松井一郎代表「野党第一党になれば、自民党をピリッとさせられる。この平井さんに力を貸してやっていただきたいと思います」

 元仙台市議の平井氏は、40年以上にわたってピアノ教室を開き、これまで500人の教え子と向き合ってきた中で教育改革の必要性を感じてきました。
 平井みどり氏「日本は教育の予算が非常に少ないと。先進国で最低だということになっている。これでは人は育てられないですよ。教育の質を高める、今のままでいいかどうかというのは再検討する必要があると思います」

 NHK党からは新人の中江友哉氏(30)が立候補を表明していて、受信料を払った人のみが視聴できるNHKのスクランブル化など主張しています。
 中江友哉氏「国民にとって公共放送とは、唯一既得権益に対抗しうる力を持つ非常に重要な存在である」

 また、諸派の新人、ローレンス綾子氏(52)は教育の自由化などを訴えています。

 参院選は6月22日に公示し、7月10日に投開票が行われます。