ノーベル生理学医学賞に選ばれたスバンテ・ペーボ教授は、東北大学との親交がありました。年度内にも共同研究の開始が検討されています。

 3日に発表されたノーベル生理学医学賞は、ドイツの研究所や沖縄の大学院大学に在籍するスバンテ・ペーボ教授に決まりました。 ネアンデルタール人など古代人の遺伝情報であるゲノムの解析と、人類の進化に関する発見が受賞理由です。

 ペーボ教授は9月7日、東北大学でセミナーを開き共同研究の打ち合わせを行っていました。

 共同研究する予定の木下賢吾教授からは祝福の声が聞かれました。

 東北大学木下賢吾教授「ノーベル財団の先見の明だと思いますね。基礎生物学だと思ってきたものが、ある時からもう医学生理学なんだよという、それをきちんと礎を作ってきた非常に重要な成果に対して表彰をしようという、ある意味強い意志の表れなんだと思いました」

 東北大学の東北メディカル・メガバンク機構は宮城県と岩手県の住民、10万人分のゲノムを解析し、長期的な健康調査と照合することで遺伝的特徴と病気の関係の解明を目指しています。

 ペーボ教授は、東北大学が持つゲノムデータに注目していて、年度内にも木下教授らのグループと共同研究を始める準備が進んでいるということです。

 東北大学木下賢吾教授「興味深いデータを持っているという高い評価をいただいたと思っています。直接お会いしてお話して、この人だと楽しいことがやれるよねという感覚がすごく強いので、そういう意味では非常にワクワクしますよね。そういう方がノーベル賞を受章したというのは本当におめでとう以外の何物でもない」