この冬は新型コロナに加え、インフルエンザが2年ぶりに流行する恐れがあるとみられています。医療現場は、見分けのつけにくい同時流行への警戒を強めています。

 仙台市若林区の七郷クリニックでは、7日も発熱した患者がPCR検査を受けていました。

 阿部基院長「じゃ失礼、鼻から3秒間、いきますよ」

 検査を受けた患者に必ず伝えるのは、新型コロナに加え、もう一つの発熱の可能性についてです。

 阿部基院長「7日はコロナのPCR検査をやりましたけれども、熱が下がらないとか筋肉痛が非常に強いとか、そういった時には翌日にでも今度はインフルエンザの検査が必要になることもあります」

 厚生労働省の専門家会合は5日に開いた会議を受け、これから2023年3月にかけて新型コロナとインフルエンザが同時流行する可能性が高いという見解を示しました。

 国内では過去2年間にインフルエンザの流行が無く、多くの人の体に抗体が無いとみられています。

 日本とは季節が逆のオーストラリアで2022年に大流行が起きたたため、同じことが起きるのではと心配されています。

 七郷クリニックの阿部基院長は、症状から新型コロナかインフルエンザかを見分けるのは難しいと話します。

 阿部基院長「新型コロナと普通の風邪とインフルエンザの症状の違いが一覧表になっていますけれども、これも必ずしも当てはまらないんですよね」

 オーストラリア政府の資料を基に作られた新型コロナと普通の風邪、インフルエンザの症状の違いをまとめた表です。

 阿部基院長「息切れというのはあまりインフルエンザとかではない症状ではあるけど、息切れもデルタ株の時には結構あったけど、オミクロンの時で息切れを訴える人はほとんどいない」

 阿部院長も診察の参考にしていると話しますが、インフルエンザの特徴と言われる関節や筋肉の痛みについても、実際の症状はさまざまです。

 阿部基院長「インフルエンザも最初の1日2日はそういう発熱と筋肉痛、関節痛が発症しますけれども、2日から3日経つと通常の風邪症状が混じってくるものが多いですね。鼻水とか咳であるとかね」

 こちらのクリニックでは、新型コロナとインフルエンザを一度で判別できる抗原検査キットを準備して、同時流行に備えています。 阿部基院長「発熱の検査をどれを選ぶかが今後の課題になってくると思う。難しいところですね。今、暗中模索と言いますかこういう時はこういう風にしようというシミュレーションを今からしっかり試行錯誤しながら考えていきたい」