宮城県石巻市では、正月の仙台雑煮に欠かせない焼きハゼ作りが行われています。

 伝統の焼きハゼ作りを行っているのは石巻市沢田の漁師、阿部喜一さんです。

 石巻市の万石浦で取れた20センチほどのハゼを尾びれや背びれの形を整えて串に刺して並べ、炭火でじっくりと焼き上げます。

 一度に焼き上げるのは60匹ほどで、約1時間で表面はアメ色になり、部屋は香ばしい香りで満たされていきます。

 焼いたハゼは10匹ずつわらで結び、煙でいぶしながら乾燥させて完成となります。

 阿部さんによりますと、ハゼの水揚げ量は震災前に比べ10分の1ほどに減少し、焼きハゼの担い手も少なくなっているということですが、阿部さんはできる限り続けていきたいと話します。

 漁師阿部喜一さん「宮城の伝統文化みたいなもんですから、大事に味わいながら食べてもらいたいというのが一番じゃないすか」

 焼きハゼは石巻魚市場に出荷され、主に県内で販売されます。焼きハゼ作りは12月下旬まで続くということです。